国に届出は必要なものの審査はなし…小林製薬の「紅麹」健康被害問題から考える機能性表示食品のあり方
TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、小林製薬の健康被害問題から浮上した機能性表示食品に関する課題について取り上げました。 ◆機能性表示食品とは? 管理体制に不備も!? 小林製薬の「紅麹」成分が含まれたサプリメントを摂取した消費者に健康被害が確認されている問題。この件については、健康被害の要因となった製品“機能性表示食品”に関する課題も挙がっています。そもそも機能性表示食品とは、事業者の責任で科学的根拠をもとに製品に機能性を表示するもので、国への届出は必要なものの、国の審査はなし。事業者の届出次第で認可となる規制緩和がとられていました。 今回の問題を受け、所管する消費者庁は機能性表示食品の届出を出している約1,700の事業者に健康被害情報の有無などを確認する質問状を送付。東京商工リサーチの調査によると、およそ1,700の事業者のうち20の事業者が届出を撤回せずに廃業していることがわかりました。その20の事業者は消費者庁のデータベースから情報を撤回できておらず、事業者が示した安全性や機能性の根拠が残されたままになっているということで、管理体制への疑問が残ります。 ◆この問題について、識者たちはどう見ている? 普段、サプリはあまり摂らないようにしているという株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんは、「新しいものは安全性がわからないところがある。それが悪いというわけではなく自分がそれをどう捉えるかということだが、長い歴史のなかで検証されてきたものと、そうでないものがあるということは日々の選択のなかで考えていかないといけないと思う」と持論を述べます。 キャスターの堀潤は「自分の口に入れるものなので、本当に信頼しているものでないと摂取しないのは当たり前」と古井さんの意見を尊重する傍ら、「ただ、セルフメディテーションなど、日本は食品の分野はまだまだ改革の余地があるので、規制緩和した段階でしっかりとしていればこんなことにならなかったのではないか」とも。 一方、コラムニストの河崎環さんは、健康食品に関する法律“薬機法”について言及。マスコミはこの薬機法で消費者が誤解することがないよう健康食品をどう紹介・表現するべきなのか細かく規定されていますが、今回のように商品を提供するメーカー側で問題があったとなると、打つ手なしと悲嘆します。 さらに河崎さんは、「今は医者に行って問診票を書くと、どんな薬を飲んでいるのかと同様にサプリ、健康食品についても聞かれる。つまり、健康食品にも薬剤と同じような成分が含まれているものの、研究が十分になされていなかったりしていることを、消費者も理解しながら口にすべき」と言い、さらには「最近は高齢者をターゲットとした健康食品・サプリメントがサブスプリクションで安価に提供されているが、そうなると高齢者は健康のために気軽に摂取してしまう。そうしたことについても警鐘が鳴らされるべき」と注意を促していました。