発表!生成AI大賞2024
今年は生成AI(人工知能)ブームともいえるほど、多くの企業・団体がAIに対し投資や技術開発を行った1年だった。Generative AI Japanは18日、生成AI(人工知能)の優れた活用事例を表彰する「生成AI大賞2024」の最終審査・表彰式を行った。 Generative AI Japanは産学連携にて生成AIの活用を促進し、ルールやガイドラインの整備・提言を行うことで日本の産業競争力を高めることを目指し、24年1月に発足した。同賞は今年初めての開催。9月上旬から1カ月間募集を行い、139件の応募が寄せられた。厳正な審査を行い、ファイナリスト8組が選出された。当日は生成AIを活用したさまざまな応用事例がファイナリスト8組から紹介され最終審査が行われた。 グランプリに輝いたのは名古屋鉄道の「名古屋鉄道グループにおける、3レイヤーでの生成AI活用プロジェクト」。3段階の生成AI活用レベルを設け、グループ全体でツールの整備と活用支援を実施した点や実践的に業務プロセス改善につなげた点などが高く評価された。具体的にはAIを活用した遺失物管理システムにより、業務負荷低減を実現した事例などが紹介された。 名古屋鉄道でグループDXを担当する山田敏大シニアアソシエイトは「DXは当社およびグループ各社の経営課題のひとつ。DXの一環として生成AIの活用を進めており、実務担当者が生成AIの有効性を認識して活用できる体制を目指している。今回の受賞はチーム一丸となって取り組んだ成果。今後もAIやデジタル技術を活用し、地域の皆様へのサービス向上と新たな価値を提供していく」と受賞の喜びを述べた。 審査委員長を務めたGenerative AI Japan代表理事で、慶応大学医学部の宮田裕章教授は「AIの活用において常に議論されるガバナンスを確保しながら、利用している点は高く評価できる。将来の発展性を視野に入れ、レイヤーに分けた点も良い。生成AIの技術進展とともに、今後も活用事例を増やして欲しい」と話す。 特別賞を受賞したのはUbieの「生成AIが実現する、人的資本最大化による病院経営支援ソリューション」と弁護士ドットコムの「誰でも法律相談ができる社会へ。生成AIを活用したAI法律相談チャットサービス」の2件。そのほか、優秀賞としてNECビジネスインテリジェンス、セブン&アイ・ホールディングス、タイルライフ、ライオン、千代田区立九段中学校が受賞した。 宮田教授は「今回のアワードを通じて、生成AIの利活用を目の当たりにできた。生成AIの技術進展は早く、最初に審査を行った時よりも確実に技術は進化しており、利活用の仕方も変わっている。このように目まぐるしく変化するアワードは他にはない。今後も新しい技術を皆とともに活用し、より良い未来を実現していきたい」と総括した。
電波新聞社