『おむすび』タマッチ役で注目の谷藤海咲、アイドル卒業から1年で朝ドラ出演「オーディションでの手応えはゼロだったのでダメだろうと…」
■「アイドルを辞めてスタートダッシュを切ったばかりなので、幅広い役を演じてみたい」
――お芝居に魅了されたきっかけというのは? 「小さい頃は本当に内気な性格で。今でこそ、しゃべるのが大好きだし、真逆ぐらいの性格になりましたが、ステージに立ったり、お芝居で役を演じている瞬間は、そういう自分の性格を一旦置いておけるんですよね。あと舞台は、観ている方の反応やリアクションを直で感じることができるのも好きです。アイドル活動をやっていたからっていうのもあるかもしれませんが、実際にどんな人が見てくれているのか私はわかっているし、それでより楽しくなっているっていうのはあるかもしれないです。この舞台もそうですが、お仕事のお知らせをすると、ファンの皆さんがすごく喜んでくれて、絶対に観てくれるという信頼があるし、観たらその感想もくれる。こんなふうに近い距離でファンの方がいてくださるのって、当たり前のことはないですし、アイドルを辞めてからもこんなふうに自分の活動を応援してくれる人がいるんだっていうのを、最近より感じるようになって、さらにこの仕事が楽しくなりました」 ――『おむすび』出演決定の告知に対しても、SNSではファンの方からたくさんの反響がありましたよね? 「そうなんです。正直、情報解禁する際、すごく不安だったんです。オーディション受けているときや撮影中よりも、発表する前日が一番緊張しました。でも、想像以上に応援の言葉をいただいたり、ビックリしてくれたファンの方々がいて、そんなふうに思ってもらえたことが嬉しかったですし、今後もこういう驚きをもっともっと与えていけたらと思いました」 ――舞台と映像では求められる芝居も違ったりすると思いますが、それぞれどんなところに魅力を感じていますか? 「私の性格上、飽き性な部分があるのですが、舞台は稽古・本番とけっこう長い期間やるじゃないですか。舞台は時間をかけて芝居を作っていってやり続けるというのがあるので、私は毎回楽しいこと、面白いことを考えていきたいなという想いがあって。それは観ている側に伝わるか、伝わらないかわからないですけど、演技を変えるだけじゃなくて、自分のマインドの部分だったりを変えて臨んだりしています。映像に関しては、よりたくさんの方々が関わってくださっているなと改めて感じていて。朝ドラはまた特殊なのかもしれませんが、実際にはお会いしていない方も含めて、本当にたくさんの方々が一つの作品のために力を合わせて作り上げているというのをすごく感じていて、自分もより責任を持って臨まないといけないなと思いました。それと、舞台とは違って映像は、どこでどんな人が観ているかがわからないし、舞台のように見える人に届けるものと、見えない人に届けるものでは、またちょっと変わってくるのかなと。そこは意識してやっていきたいなと思います」 ――アイドル卒業後、現在のヒラタオフィスに所属して、約1年が経過しました。この1年間はどんな日々でしたか? 「本当に怒涛の1年間でした。ずっとやりたかった場所のスタートラインに立つことができて、自分が役者として見られる立場になったんだというのを少しずつ感じる1年だったなと。今回の『おむすび』もそうですが、たくさんのきっかけとチャンスをいただいて、その中からいくつかのチャンスを掴むことができたのは、この1年のなかですごく大きかったなと思います」 ――『おむすび』や今回の舞台などを経て、今後どのような活躍をしていきたいですか? 「私の性格的に、なんでもやってみたいというスタンスなので、今はいただいたものは全部やりたいという気持ちです。まだまだ役者としては未熟ですし、アイドルを辞めてスタートダッシュを切ったばかりなので、幅広い役を演じてみたいなと。それと、役者以外にも、しゃべることが好きだったりするので、いろんなジャンルのお仕事にチャレンジしていけたらと思っています」 ――では最後に、芸能界デビューを夢見る『デビュー』読者に向けて、谷藤さんが夢や目標を叶えるために大切にしていることを教えてください。 「諦めないことが大事なのかなと思います。時には諦めるという選択も必要だとは思いますが、私の中でそれは“諦めた”ではなくて、次に進むための選択でしかないと思っていて。私もいろいろとチャレンジしてきて、手放したものもありますが、それで得られたものもたくさんありました。私自身も以前『デビュー』さんを読んで夢見ていた時代がありましたし、そんな私も今こうやって『デビュー』さんに取り上げていただけるようになったので、やりたいことはとりあえず挑戦してみることが大事なんだと思います。チャレンジして壁にぶつかったとしても、やり続けていたらいつか越えられたり、大丈夫だと思える瞬間が来るかもしれないし、本当につらかったらまた別のことをやればいいのかなと。違うジャンルに挑戦して、もともとの夢に繋がることもあったりすることもあるので、考えすぎず、楽しいことや好きなことに対して、飛び込んでいったほうがいいのかなと思います。私もまだまだこれからなので、どんどんチャレンジしていきたいと思います」 【プロフィール】 谷藤海咲(たにふじ・みさき)●1999年9月22日生まれ、東京都出身。ヒラタオフィス所属。 15歳からアイドルグループ「KissBee」のメンバーとして活動。2024年5月に同グループを卒業し、現在は俳優として活動する一方、Z世代による共感マーケティング会社「zzz.inc(ねむインク)」代表取締役を務める。 【主な出演作】 ・ドラマ/NHK連続テレビ小説『おむすび』佐藤珠子役、WOWOW『文豪少年~ジャニーズJr.で名作を読み解いた~』、NTV『先に生まれただけの僕』 野口明日香役 ・映画/『笑えない世界でも』主演(公開待機中)、『春待つ僕ら』、『鈴木先生』 ・舞台/オクチナオシ第4回公演『浪人たちのいるところ』、オクチナオシ第3回公演『シンデレラガールは誰だ』、project to doリーディングライブ『新聞物語』、UBUGOE『おタエさん』 など 【公演概要】 ヒラタオフィス+TAAC「not only you but also me」 10月18日(金)~27日(日) 東京・劇場MOMO ■作・演出:タカイアキフミ ■出演: 伊藤歌歩、谷藤海咲 川嶋由莉、おくだかずな、高橋里恩(「高」は「はしごだか」が正式表記) 山田キヌヲ