熱々のボンネットで目玉焼き…なんて発想はできなくなる!? 日産自動車が開発中の次世代塗装に注目です【Key's note】
目玉焼きを焼いてみようなんて誰も思わなくなるかも
僕が学生の頃ですから、幼稚な実験であることをご理解いただきたいのですが、当時僕はソリッドブラックのクルマに乗っていました。黒は太陽熱を吸収しますから、ボンネットに手を触れると火傷をしそうなほど熱かったのです。暑かったではなく熱かったです。 そこでピンときたのがこの実験です。ボンネットの上で目玉焼きが作れるのではないだろうかと思い立ち調理に挑んだことを思い出しました。 結果からいうなれば、白身の縁がわずかに白くなっただけで、ほとんど半熟のままでした。実験失敗です。手で触れば火傷をするほど熱いのですが、卵を落とした瞬間に冷えます。卵が日光を遮りますから、フライパンの代用であるボンネットは冷えたままです。目玉焼きなど、食べられる状態にはなりません。 などという稚拙な遊びをしていたわけですが、当時「自動車用自己放射冷却塗装」があれば、そんなことをやってみようと思わず、恥をかかなくて済んだかもしれませんね。 という画期的な「自動車用自己放射冷却塗装」なのですが、それほどの効果があるのなら、ビルや標識などの建築資材にも応用できるのではないかと想像したわけですが、実際にすでに実用化されているそうです。 ただ、建築であればローラーで厚塗りが可能ですが、自動車となればそうもいきません。クリアトップコートと呼ばれる塗装が必要です。そのためにエアスプレーなどを細工し、クリアトップコートにアジャストしたそうです。という意味で「自動車用~」なのですね。 日産はこの技術を、羽田空港で働く「NV100クリッパーバン」で実証実験しています。巨大な航空機の周りをチョコマカと走りまわる「NV100クリッパーバン」を見たら、気に留めてあげてください。
木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
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