「長嶋茂雄DAY」で出た!巨人第89代4番弾「4番打者として、強いジャイアンツを継承することが使命」
◆JERA セ・リーグ 巨人8―5阪神(3日・東京ドーム) ミスターが見守る前で、巨人の主砲が美しい放物線を描いた。岡本和は手応えが残ったバットを両手に握ったまま、一塁ベースへゆっくりと歩みを進めた。4―1の2回2死二塁、門別のボール気味の高め138キロ直球を完璧に捉えた。「点を取られた後でしたので、取られたら取り返すつもりでいきました。走者をかえせて良かったです」。左翼席上段へ5試合ぶりの5号2ランを放り込んだ。 【動画】「背番号3」の練習着でティー打撃する岡本和真 巨人の第89代4番打者にとっても特別な「長嶋茂雄DAY」。ナインとともに、ミスターの背番号「3」が背中に入ったTシャツで練習前のグラウンドに登場した。「4番打者として、強いジャイアンツを継承することが使命」と第25代4番の“ミスター魂”を受け継ぎ、有言実行のアーチをかけた。 昨季の登場曲だったサザンオールスターズ「栄光の男」は、ボーカルの桑田佳祐(68)が幼い頃から大ファンだったという長嶋氏をモチーフに描いたナンバーだ。「永遠に不滅と彼は叫んだ」―。ミスターが74年の現役引退時に叫んだセリフをもとにした歌詞に後押しされ、昨年は自己最多の41本塁打を放った。 今季は主に同じサザンの「希望の轍(わだち)」を使用していたが、7回の第4打席は「栄光の男」に登場曲を戻して打席に入った。粋な演出でミスターに敬意を表し「長嶋さんの日という記念の形で開催したゲームで、勝ててよかったなと思います」と特別な1勝をかみしめた。 ミスターのまな弟子で第62代4番の松井氏からは、臨時コーチとして参加したキャンプで軸足に体重を残す下半身の使い方を伝授された。岡本和にとって、2人の師の前での恩返し弾。巨人の偉大な先輩が築いてきた数々の栄光に「90年続くって相当すごい」と敬意を表し「やっぱりみんなにこの舞台で野球したいと思ってもらいたい。子供たちが『あんな選手になりたい』というような選手になりたいと思っています」。ゴールデンウィークに集まった4万1883人の大観衆の前で、どでかい一発を放った。 メモリアルマッチを制し、岡本和が本塁打を放った試合は5戦全勝と不敗神話も継続した。「相手は首位ですし、この6連戦大事だと思うので頑張りたい」。4年ぶりのV奪回という栄光に向かって、力強くけん引していく。(内田 拓希)
報知新聞社