取り調べで「被疑者ノート」持ち去られ…黙秘権侵害などで訴えた裁判 道に25万円の支払い命じる 札幌地裁
HTB北海道ニュース
道警からの取り調べの際に「被疑者ノート」を持ち去られ黙秘権を侵害されたなどととして逮捕後に不起訴になった女性らが道を訴えた裁判で、札幌地裁は道に25万円の支払いを命じました。 原告側の代理人・吉田康紀弁護士) 「本当に人だと思っていないんじゃないか、捜査機関は人のことを」。 道警の取り調べが適切だったかどうかを問う通称、「被疑者ノート裁判」。訴状などによりますと、原告の20代の女性は2021年6月に当時2歳の長男を監禁した疑いで逮捕され、その後嫌疑不十分で不起訴となりました。しかしー 警察) 「言わなきゃいけないことがあるとか、私たちに伝えなきゃいけないこと何かあるかい?」 原告の女性) 「何も言いたくない…」。 警察) 「何も言いたくない。それはどうして?」。 これは、2021年6月から7月にかけて道警本部で行われた取り調べの映像。原告側が公開したものです。原告の女性は供述を拒否しています。 警察官) 「いらない子だったの?じゃあ産まなきゃよかったんじゃないの?その程度の覚悟で育てていたの?」。 女性は黙秘をしていたものの、道警からの取り調べで執拗に自白を迫られるなど黙秘権を侵害されたとしたといいます。さらに、その内容を記した「被疑者ノート」を無理やり持ち去られたなどとして、担当弁護士とともに道に160万円の慰謝料の支払いを求めました。 3日の判決。 札幌地裁は取り調べは捜査権の行使として「適法の範囲内」としました。ただ、「被疑者ノート」を持ち去る行為には黙秘権の侵害が認められるなどとして、道にあわせて25万円の支払いを命じました。原告側は控訴するかは今後決めるということですが、判決後の会見では取り調べの違法性が認められなかったことへの不満を話しました。 原告側の代理人・吉田康紀弁護士) 「非難をするような『産まなければ良かったんじゃないの』、『その程度の愛情で育てたの』みたいなことが許される理屈は立たないと思うし、そこは本当に理解できない」。 道警は「判決内容を精査し、対応を検討して参ります」とコメントしています。
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