3年負けなし「盤石」阿部一二三、ライバルは「妹」…ボディービル誌で表紙飾る肉体
楽しみにしているのは「柔道大国」フランスの目の肥えた観客の反応だ。新型コロナウイルス禍の東京五輪は無観客の日本武道館で行われ、自らの柔道を直接多くの人に届けられなかったのは心残りでもあった。応援はフランス選手中心になるだろうが、「リスペクトを持ってくれるのがパリの観客。いい柔道を見せたい」と意気込む。
兄と妹の偉業が期待されるが、「自分自身、東京とは別ものの五輪になるんだと思っている。たくさんの人に圧倒する柔道を見せたい」。自らへの期待で声を弾ませ、連覇に挑む。(小高広樹)
[世界のライバル]地元・キヤー 返し技得意
東京五輪後の国際大会で負けなしのままパリ五輪を迎える阿部は、「妹がライバル」と話す。女子52キロ級で兄妹連覇を狙う詩と刺激し合いながら、互いに頂点を極めたい。男子66キロ級の警戒すべき選手をあえて挙げると、フランス代表のワリド・キヤーか。返し技が得意で、波に乗ると手ごわい。地元の大声援の後押しには気をつけたいところだ。
あべ・ひふみ 1997年8月9日生まれ。兵庫県出身。神港学園高の2年生だった2014年に講道館杯とグランドスラム東京大会で優勝。日体大に進み、17年世界選手権ブダペスト大会で初優勝。21年東京五輪は妹の詩とともに金メダルを獲得した。