BMWが水素活用でトヨタとの協業を強化 2028年に燃料電池車の量産を開始
独BMWは2024年9月5日(現地時間)、2028年に燃料電池車(FCEV)の量産を開始すると発表した。燃料電池車のパワートレインはトヨタ自動車との共同開発によるもので、既存モデルにもFCEVのバリエーションを設定する予定だ。 【写真】トヨタ・ミライのパワートレインを流用したBMWの燃料電池車、iX5ハイドロジェンの内装・外装を詳しく見る(20枚) BMWは2023年から、「トヨタ・ミライ」のパワートレインを流用したFCEV「BMW iX5ハイドロジェン」の実証実験を日本を含む世界各国で行っている。それをもとに、今後BMWとトヨタは両社の革新力や技術力を結集し、次世代の燃料電池技術の実用化を目指す。水素社会の発展を目的に、ゼロエミッション技術を次のレベルに引き上げるため、協力を拡大するという。 両社は商用車利用と乗用車利用の双方にシナジーを創出するコア燃料技術(第3世代燃料電池)を活用し、乗用車パワートレインシステムの共同開発を実施。開発や調達部門での協業によりシナジーが実現し、パワートレインユニットの共有が実現すれば、燃料電池技術のコスト削減とFCEVの普及率向上につながるとしている。 この協業の成果はBMWとトヨタ両社の車両に応用され、各ブランドの独自性や特徴はそのままに、ユーザーにとってはFCEV購入の選択肢が広がる。 BMWの取締役会会長であるオリバー・ツィプセ氏は、「世界的なプレミアムメーカーによって提供される初めての量産モデルです。水素のパワーとこの協業を原動力として、技術の進歩が将来のモビリティーを形成することを示していきます。多くの人々がFCEVを求める時代の幕開けとなります」と抱負を語っている。 トヨタの代表取締役社長である佐藤恒治氏は、「BMWとトヨタの協業が新たなステージに入ることをうれしく思います。長年のパートナーシップを通じて、BMWの“テクノロジーオープンネス”、トヨタの“マルチパスウェイアプローチ”というカーボンニュートラルに向けた考え方の共有を確認し合ってきました。これらの価値観に基づき、今後、次世代燃料電池システムの共同開発やインフラの拡充など、水素社会の実現を目指して協力関係を深め、取り組みを加速させていきます」と述べた。 インフラの整備についても両社は協業し、水素充塡(じゅうてん)インフラとバッテリー式EV充電インフラの拡充に注力。商用車利用を含め、需要の創出や水素の生産・流通・充填インフラ整備企業と緊密に提携を行い、持続可能な水素社会を推進する。 (webCG)
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