「ファン心理につけ込む」SNSでのチケット転売 違法でないケースもあるが多くは「禁止行為」 被害防止は売り手の個人情報を確認することなどから 弁護士解説
■詐欺はファン心理につけ込む
応援している人気の歌手のコンサートにどうしても行きたい、生で見て応援したいという気持ちは非常によく分かりますし、いつでも参加できるものでないからこそ、定価より高値を払ってでも観劇したいという気持ちもよく分かります。しかし、上記のようなチケット詐欺はそのようなファンの心理に狡猾につけ込む卑劣な犯罪です。犯人もファン心理を理解しており、「どうしても行きたかったが、家族の急病で行けなくなってしまい、チケットが無駄になってしまうのでファンの方にお譲りします。」等と、もっともらしい理由をつけて公演日目前を狙って募集を行っていることが多く、文面から詐欺師かどうかを見抜くことは非常に困難です。 購入した結果、もしチケットが送られてこなかったり、相手がアカウントを削除して逃げてしまった場合には、当然コンサートには行けませんし、お金だけ失った挙句、上述のように警察や弁護士に相談したり、自分で裁判を起こしたりしなければならないという手間と悔しい思いが残ってしまいます。 再転売目的でない限り、チケット転売の購入者側が犯罪になることはありませんが、定価より高い価格で購入する人がいるからこそ、不正転売屋や詐欺師が存在し、購入者が転売屋の存在を助長している側面もありますから、トラブルに巻き込まれないためには、やはり自分で当選したチケット以外は買わない、買うとしても正規のリセールサイトのみを利用して購入するというのが一番です。 (永岡孝裕弁護士)
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