「ファン心理につけ込む」SNSでのチケット転売 違法でないケースもあるが多くは「禁止行為」 被害防止は売り手の個人情報を確認することなどから 弁護士解説
■「ただちに違法」ではないものの…
「定価より高い価格での転売=ただちに違法」ということではありません。ただし、定価より高い価格での販売が「本当に人生で1度きり」との証明ができる人はいないでしょうから、警察の捜査が行われ、「反復継続する意思」があると判断されれば、警察から電話がかかってきて呼び出されたり、最悪の場合には逮捕される可能性は否定できません。 仮に、自分が本当に1回きりのつもりで、定価より高い価格でチケットを売ろうとして、SNS上で呼びかけたとしても、閲覧者によって警察に通報されたり、あるいは当該投稿が捜査機関の目に留まって犯罪の嫌疑ありと判断された場合には、それだけで警察から呼び出しが行われたり、捜査されて携帯電話やパソコンを差し押さえられたりする可能性もあります。 実際に、私が過去に取り扱った実例としても、人気のチケットの応募を、複数アカウントを作成して大量に行い、当選した中でもっとも良い座席のチケットのみ自分で使用し、それ以外のチケットを定価以上の価格で転売するという行為を数回行った人が逮捕され、罰金刑となり前科がついてしまったという事例があります。 (永岡孝裕弁護士)
■チケット詐欺にあわないために
SNS上での他人へのチケット転売(定価か定価以下の場合)自体は「適法」なのは分かった。しかし、買う立場から見れば、定価や定価以下であっても詐欺の心配はある。となると、「詐欺」や「違法転売」にだまされないよう、どのように気を付けるべきなのか。引き続き、永岡弁護士に聞く。 【永岡孝裕弁護士】 まず押さえたいことは「個人情報を安易に発信しないこと」と「リセールサイトの利用」です。 <個人情報を安易に発信しない> チケット転売に限らず、インターネット上での取引については、安易に自分の個人情報を発信したりしないようにするのが適切です。 <リセールサイトを利用する> 最近では興行主がリセールサイトを開設している場合がありますので、正規のリセールサイトが存在する場合には、それを通じて購入するようにしましょう。正規のリセールサイトからの購入であれば、公演中止等の場合にも正式に払い戻し等の補償も受けることができますし、名義違い等で入場拒否などの憂き目に遭う心配もありません。ただし、正式サイトを模した転売用サイトもありますから、サイト運営者の所在地や氏名等をきちんと確認した上で利用しましょう。
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