5000mで4人転倒の“事件” 当事者となった仏選手が語ったレースの舞台裏「みんながみんなを押していた。怖かった」【パリ五輪】
予期せぬアクシデントが波紋を呼んだ。 現地時間8月7日にパリ五輪の陸上男子5000メートル予選が行われ、レース中に計5人が転倒するハプニングがあった。 【画像】選手から不満噴出! エアコンなしの質素なデザインのパリ五輪選手村の全容をチェック 序盤からスローペースで進んだレースが終盤戦に入ろうかというタイミング。形成された20人の集団が団子状態のまま、ゴールまで100メートルを切ろうかという時だった。8位争いを展開していたジョージ・ミルズ(英国)がウーゴ・ヘイ(フランス)と接触して転倒すると、これにつられた4人が巻き込まれる形で相次いでトラックに転んだ。 結局、ネルベギリエ・ノルドース(ノルウェー)が14分08秒16で組1位となったレースは、転倒した集団の後ろにいたトーマス・ファファード(カナダ)が浮上。最後はゴール直前で8位に滑り込む、まさかの展開となった。 レース後、事態を重く見た審判団はビデオで問題シーンを再チェック。その結果、転倒した4人も決勝進出が認められた。だが、怒りが収まらないのは、ヘイとの接触で最初に転んだミルズだ。レース直後にフランス人ランナーに怒りの剣幕で詰め寄った25歳は、英公共放送『BBC』のフラッシュインタビューで「何が起きたかはかなりはっきりしているよ。最後の直線で踏み切った瞬間に、僕はドンっと、あのフランスの若造に押し倒されたんだ。かなり良いペースでレースができていたのに」と語気を強めた。 一方でヘイは接触が故意ではないことを主張する。母国のラジオ局『RMC Sport』の取材に応じた際に「彼は『僕が押した』と言ってきた。でも、それはありえない」と断言。終盤の競り合いを回想している。 「でも、最終周はかなりカオスだった。みんながみんなを押していた。ちょっと怖くなったぐらいだ。でも、イギリスの彼はちょっと怒っていたね。僕は彼を押したとは思っていないけどね」 終盤のスパートのタイミングで起きた衝撃の転倒騒動。それは当事者たちにとってフラストレーションの溜まる出来事だったようだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]