「吉沢亮なら侵入してきても嬉しい」という人もいるが…。芸能人の「飲酒トラブル」がなくならない本質的な要因
ただ、「海外には公共の場での飲酒に厳しい規制がある」と言われているものの、海外の事件を翻訳したネットニュースでは、「公共の場で暴れて全裸になった中年男性」を目にすることは少なくない。そして、彼らのほとんどが「泥酔状態」である。結局、どの国にも迷惑な酔っ払いは存在するのだ。 つまり、「日本もお酒の販売を規制すればいい」という単純な話ではないのかもしれない。国に限らず、お酒との付き合い方は個人に委ねられているのだ。
■適正飲酒を提唱している最中のトラブル さて、当の吉沢は「前日の夜から酒を飲み、記憶を飛ばした」そうだが、朝の10時半まで泥酔状態とはどういう状況だったのだろうか? 朝方まで飲んでいると、いずれ酔いよりも眠気が勝つのが一般的だ。それだけの量を一晩中飲み続けていたのか……。筆者は少し前までアルコール依存症だった人間だが、だからこそ、吉沢のアルコールとの付き合い方が心配になる。 ■酒類メーカーは近年、「適正飲酒」を推進
また、吉沢と契約を解除したアサヒビールは近年、「スマートドリンキング」という新しい飲み方の文化を提唱している最中だ。 「酒を飲む人、飲まない人に限らず、さまざまな人がマイペースに飲める選択肢を広げ、飲み方の多様性を受容する社会を実現する」という理念に基づき、吉本興業のお笑い芸人たちをCMに起用し、適正飲酒を啓発している。 そんなときに、宣伝塔である吉沢が酒のトラブルを起こしたことは、同社にとって大きな痛手だ。周囲に彼の飲み方を止める人はいなかったのだろうか?
そもそも、吉沢が出演していた「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」は、「ビールとの新しい付き合い方が広がっている」をコンセプトに、従来のスーパードライよりもアルコール度数を3.5%と低く抑えた「新しいビアライフ」を提案する商品だ。 同商品だけを飲んでいれば、今回のような事態は避けられたのかもしれない……と言いたいところだが、トラブル回避のために飲まずに越したことはないだろう。 酒に甘い国・日本で、酒で失敗した芸能人が復帰できている現状。吉沢の今回のトラブルも、今後起きるであろう同様のトラブルも、こういった背景にも一因があるのだ。
千駄木 雄大 :編集者/ライター