「吉沢亮なら侵入してきても嬉しい」という人もいるが…。芸能人の「飲酒トラブル」がなくならない本質的な要因
■日本のお酒に対する寛容さ (2)そもそも、日本は飲酒に甘い国である 次に、日本のお酒に対する寛容さだ。訪日客が増えるなかで、外国人との飲酒に対するギャップを感じる機会は多くなった。 例えば渋谷センター街の「立ち飲みの聖地」と称されるファミリーマートでは、外国人観光客が騒いだりゴミをそのまま放置して帰るといった行為が問題視されている。 彼らの母国ではこうした行動は到底許されない。というのも、多くの国ではお酒の販売時間や飲酒可能な場所について、明確な法律が定められているからだ。
例えば、筆者がシンガポールを訪れた際のこと。夜にコンビニでビールと思われる缶をレジに持って行くと、店員に「ノー、ノー」と断られた。同国では午後10時半から午前7時まで公共の場での飲酒が禁止されており、この時間帯にお酒を購入することもできない仕組みになっている。別のコンビニに行ってみたところ、冷蔵庫には鍵がかかっており、徹底した規制を目の当たりにした。 また、フランスやイギリスといった国々でも、日本のように24時間お酒を購入できるわけではないそうだ。
アメリカで小学校と大学以外の時間を過ごした筆者の経験では、レストランで父がビールを注文するたびに必ずIDカードの提示を求められていた。アジア系だから若く見られた可能性もあるが、当時はすでに40代。年相応のシワもあったため、おそらくすべての飲酒客に確認を求めていたのだろう。 アメリカでは州によって異なるものの、多くの地域で時間帯によってお酒の販売が制限されている。そのため、コストコなどで箱買いをしてガレージに保管し、自宅の庭など敷地内で人を集めて飲む、いわば「宅飲み」の文化が根付いている。居酒屋に行くよりも安く上がる。
結果、人々の意識も日本人のそれとは異なっているわけだが、実際、世界のトップの中には、アルコールを口にしない者も少なくない。アメリカの新たな大統領になるドナルド・トランプはパイロットの兄がアルコール依存症で苦しんでいるのを目の当たりにし、30歳から今まで禁酒しているのだ。まぁ、シラフで暴言を吐き続けられるのも恐ろしい話だが……(ジョー・バイデンも「ティートータル」と呼ばれる絶対禁酒主義者である)。