体重無差別で争う柔道・全日本選手権で“足取り”ＯＫに 旗判定復活に続き“原点回帰”の特別ルールに
全日本柔道連盟（全柔連）は１０日、体重無差別で日本一を争う来年の全日本選手権（女子は４月２０日、男子は同２９日）で、組み合った状態から相手の帯から下を持っての攻撃および防御（足取り）を認めることを発表した。現行の国際柔道連盟（ＩＪＦ）のルールでは相手の帯から下を持っての攻防は禁じられているが、日本一を争う大舞台では講道館柔道の「すくい投げ」や「朽ち木倒し」といった技も可能となる。 全日本選手権の実行委員会はＩＪＦルールを基本としつつ、次回大会の審判規程として「立ち姿勢において、相手と組んだ状態で攻撃・防御のために、相手の帯から下をつかむ（触れる）ことは反則（指導）とはしない。ただし、相手と組んでいない状況で直接相手の帯から下へ攻撃を行うことは反則（指導）とする」という申し合わせ事項を新たに導入すると発表。前回大会では、ゴールデンスコア方式の延長戦を廃止し、どちらが優勢だったかを審判が判断し勝敗を決める「旗判定」が８年ぶりに復活していた。 全柔連と講道館が共催する全日本選手権は、国内トップ選手が体重無差別で争う唯一無二の大会。重量級中心の戦いの中で、軽量級や中量級の選手が挑むことが魅力の一つとなっているが、近年は旗判定や下半身への攻撃がなくなったことで、体の小さな選手が勝ちにくいという指摘もあった。
