WEST.が今、大阪松竹座に立つことの意味 7人の“青春”を見守ってきた場所で迎える10周年にふさわしいステージへ
悔しい思いをした2020年、6年ぶりの松竹座でのライブは無観客開催
月日は経ち、世界を混乱に陥れたコロナ禍の到来。ほとんどのアーティストがライブやツアーの中止を発表する中で、WEST.が2020年に予定していた東京と大阪の二大ドームツアーも例に漏れず中止となった。そこで行われることとなったのは、関西グループ総出で行った日本万国博覧会記念公園での配信ライブと、大阪松竹座で行われた無観客配信ライブ。多くのグループが期間内でワンマン公演を行っていく松竹座でのライブで、WEST.はトップバッターを務めることとなったのだ。当時重岡は、「僕たちは、歌、ダンス、お芝居、バラエティ、全てのエンターテインメントの一歩目をこの松竹座で踏みだし、その道の過酷さ、苦しさ、夢、感動など全てを感じながら、歩き続けてきました。大人になった今になって思うことは、僕たちの「青春」というものは、松竹座に有ります」とコメント。7人にとっても、ファンにとっても大切な瞬間を見守っていたのは松竹座だったのだ。 『なにわともあれ、ほんまにありがとう』からは実に6年3カ月ぶりの松竹座の舞台。いつも目の前で声援をくれるはずのファンがいない、初めての体験。それでも、画面の向こうで熱狂しているであろうファンに、少しでも近い距離を感じてもらえるようにと、客席には事前にファンから募ったうちわやペンライトをセッティングしたり、彼らならではの工夫やアイデアは、長年グループそのものを育んでくれた松竹座だからこそ生まれ、成し得たのかもしれない。 下積みや苦境をともに乗り越えたホームグラウンドに、10周年という称号を抱えて凱旋する。12月24日、25日には、当日の公演の模様を全国約230カ所の映画館で同時上映する『WEST. 10th Anniversary 大阪松竹座公演 映画館生中継!!』も予定されている。彼らの青春が詰まったこの場所で、どんな新しい歴史を刻むのか。7人で歩んできた日々が“間違っちゃいない”のだと、その姿を見守る多くのファンに熱く語りかけてくれるだろう。
神田佳恵