相可高、調理や試食で交流 スペイン三つ星店シェフら3人と 三重・多気
県の人材育成事業 本場バスク料理など学ぶ
三重県多気郡多気町相可の県立相可高校の食物調理科を14日午前11時前から、スペインのシェフたちが訪れ、同科の生徒たちが手掛けた和食のコース料理を試食したり、シェフ自らがデモンストレーションするなど、料理を通じた交流を行った。 県は、食の分野での人材育成を目的に、2019(令和元)年から、スペインのサン・セバスティアンの料理人や、料理人を志す専門学校生・高校生など若者との交流事業をしている。実際に現地からシェフが来て交流するのは22(同4)年以来2回目。 今回、13~15日の3日間の日程で来県したのは、バスク州サン・セバスティアンにある三つ星レストラン「アルサック」に併設された料理研究施設「ラボラトリオ」の顧問、ミケル・ソラズ・エチャベ氏(56)と、(メニュー)開発責任者、ランダー・コルナゴ氏(24)、コーディネーター兼通訳として、スペイン国内のレストランでシェフを務める羽原聡子さん(52)の3人。相可高の他、県日本調理技能士会や津市の三重調理専門学校でも交流している。 この日は、同科の3年生18人が午前10時ごろから準備を始め、前川次郎柿の白あえなどの前菜やカニのみぞれ仕立てのわん物、タイのだし入りにゅうめんなど7品をコースで提供し、同科の加藤陽君が1品ずつ説明した。 試食は3人の他、同科の生徒7人も同席。シェフたちはゆっくり味わいながら、目の前で生徒たちが調理する様子をスマートフォンで撮影したり食材について尋ねたりしていた。 ミケルさんはカニのみぞれ仕立てのわん物が気に入ったといい、「今が旬のカニを取り入れていておいしい。(自分は)13歳の時に料理の道に入ったが、生徒たちはまだ若い。目標を持って頑張って」と話した。ランダーさんは「日本食とバスク料理は違うけれど、一つ一つの料理をじっくり味わうという共通点はある。自分もここでの経験を生かしていきたい」と語った。 ミケルさんの隣で一緒に試食した同科の堀江栞吏さんは「フレンチレストランに就職することが決まっていて、基本的にコース料理の調理に携わることになるので、貴重な経験。(ミケルさんの隣は)すごく緊張したけれど、うれしいです」と話した。 ミケルさんとランダーさんは午後4時からは、同校調理クラブの生徒たちのために、バスク地方のマグロの煮込み料理やイカのソテーの2品の他、実際にアルサックで提供されている鹿肉のソテーと海藻のメニューを目の前で調理して生徒たちが試食した。