連続運転時間が「80分」を超えると事故リスクが「約2.7倍」になる?ドライバーが知っておくべき「休憩」の考え方とは
車を運転する人の中には、仕事や趣味などで長時間運転する人がいるでしょう。しかし、長時間の運転は事故のリスクを高めるとされているため、注意が必要です。 この記事では連続運転時間が80分を超えた場合に増加する事故リスクの詳細や、連続運転が続く場合の休憩の考え方をまとめました。 ▼ハンズフリー通話での運転は「違反」になる? ペナルティが発生する場合についても解説
連続運転時間が80分を超えるとどのくらい事故リスクが増加する?
国立研究開発法人 科学技術振興機構に掲載されている「長時間連続運転車両が事故発生リスクに与える影響分析」では、連続運転時間が80分を超えた車両は、長時間連続運転車両と定義する旨が記載されています。 本研究では「運転開始から80分後に車両挙動の安定性が最も損なわれた状態になる」とされています。これらは疲労の蓄積や集中力の低下から発生するものと考えられており、長時間連続運転に該当する車の混入率の上昇にともない、事故リスクに約2.7倍の差があるとされていました。 また、特に事故が起こりやすいとされているのは、下りの道路やトンネル、カーブなどがあげられます。注意して運転する必要があったり、ハンドル操作を求められたりなどが多い道路の場合は、長時間連続運転によって、より事故リスクが増すと考えられるでしょう。
連続運転が続く場合の休憩の考え方
連続運転が続く場合は、適度に休憩を取る必要があると考えられています。厚生労働省が発表している「連続運転時間・休憩の考え方」では、10分以上連続して運転する時間を「連続運転時間」と定めており、高速道路の実車運行区間における連続運転時間はおおむね2時間までとしていました。 必要となる休憩時間は「旅客自動車運送事業運輸規則第21条第1項」の規定に基づき、連続運転時間4時間に対して、30分の休憩を確保する必要があると定められています。 また、夜間のワンマン運転に関していえば、運転時間4時間に対して40分以上の休憩が必要です。実車距離が400キロメートル以下の場合は、30分の休憩を設けなければなりません。分割して取得する場合は1回10分以上の休憩が必要とされています。 上記は旅客法に基づく考え方ではあるものの、一般ドライバーにも同じことがいえるでしょう。運転時間が長くなるほど事故リスクが増加するとの考え方も見られるため、安全に走行するためにも、適宜休憩を取ることは重要と考えられます。