「第72回ニッコールフォトコンテスト」授賞式がニコン本社で開催
第72回ニッコールフォトコンテストの授賞式が12月14日(土)、東京・大井のニコン本社で開かれた。審査員からの講評に加え、賞状ならびにトロフィーの授与が行われた。 【画像】グランプリを受賞した井口絵理香氏 今回グランプリに輝いたのは井口絵理香氏の「夏祭りの空模様」。1万2,450点の応募作品から選ばれた。 受賞作品は、夏祭りの空を見上げる少女の横顔を幻想的に捉えたもの。井口氏は「娘が1歳の頃に撮影した横顔の1枚がきっかけで写真に没頭するようになった。今春、自宅でプリントできる環境を整え、自分の納得のいく作品に仕上げることができた」と喜びを語った。熊切大輔審査員からは「心が掴まれる表現。アスファルト部分が宇宙にも見える、とてもインパクトのある写真だった。新海誠監督のアニメのワンシーンのような、ファンタジックな世界観をリアルな情景の中で表現した作品」と高い評価が贈られた。 「ニッコールフォトコンテスト」は今回から部門を一新しており、自由部門、ネイチャー自然風景部門、U-18部門の3部門に、それぞれ単写真と組写真を設けた。 U-18部門単写真の金賞には中山鈴花さんの「砂男子(すなだんご)」が選ばれた。 中山さんは「たまたま出会った男の子が転んで、顔面に砂をつけてしまった瞬間」と撮影のシチュエーションを説明。「外に出ないと気づけない瞬間を捉えられるのがカメラの素晴らしさ」との感想も語った。審査員の秋山華子氏からは、「特別な演出は不要。いい瞬間、いい表情を切り取れることが写真の魅力」とのコメントも聞かれた。 同じくU-18部門・組写真の金賞に輝いた波田野杏桃さん。「私の写真は完璧に綺麗というわけではないが、どこか目が離せなくなるような写真が撮れたと思う。見る人がどんな解釈をするのか気になっている」と、スピーチの中で説明をしている。 最後に登壇した熊切氏は、今回の応募作品について「笑顔や生き生きとした表情を捉えた作品が数多く寄せられた」とコメント。これまで社会状況からお祭りやイベントでの撮影機会が限られていたが、「今まさに日常が戻り、人々の生き生きとした表情を撮影できる環境が整ってきた。その変化が作品にも表れている」と総評した。 ■ 第72回ニッコールフォトコンテスト入賞作品展 ・会場:ニコンプラザ東京 THE GALLERY、ニコンプラザ大阪 THE GALLERY ・期間:2024年12月10日(火)~12月23日(月)(東京)、2025年1月23日(木)~2月5日(水)(大阪) ・開館時間:10時30分~18時30分 ※最終日は15時00分まで ・休館日:日曜日
デジカメ Watch,本誌:佐藤拓