日鉄呉跡地、年内に高炉を本格解体へ 日鉄が4者協議で伝達 防衛省、民間活用策調査の情報共有要請
広島県呉市の日本製鉄(日鉄)瀬戸内製鉄所呉地区跡地の活用を巡り、日鉄が年内に高炉設備の本格解体に着手することが分かった。跡地への複合防衛拠点の整備案を示している防衛省は、民間活用策を検討している広島県と呉市に対し、実施中の調査の情報共有を求めていたことも分かった。 防衛省が9日公表した県と市、日鉄による2回目の4者協議の議事概要で判明した。議事概要によると、日鉄は地上構造物について「本年より高炉地区の設備の本格解体に着手する」と説明。これまで日鉄は全ての解体撤去が終わるのは「2031年度末」との見通しを県と市に伝えていたが、着手時期は公表していなかった。 また、防衛省は県と市による跡地の民間活用策を探る調査についての情報共有を要請。一方、県は防衛省の複合防衛拠点の整備案について「民間誘致の規模や内容、自衛隊を含めた想定される雇用増などの説明が十分ではない」と指摘し、詳細を早期に説明するよう求めた。 2回目の4者協議は6日に広島市内であった。防衛省が複合防衛拠点の機能の配置案を中間報告し、災害時に防災拠点となり、平時は市民も使える運動場などの大まかな配置図を公表した。防衛省は本年度中に最終的な配置案をまとめる考えを示している。
中国新聞社