トヨタの水素事業トップが語る水素社会“実装”への道とは?【スマートエネルギーWEEK春2024】
2月28日より3月1日まで東京ビッグサイトで開催されたエネルギー関連展示会「スマートエネルギーWEEK春2024」「GX経営WEEK春2024」(注:業界向け商談展のため一般入場不可)内の「H2&FC EXPO春」に出展したトヨタ自動車のブースでは、水素ファクトリーの山形光正プレジデントによる「水素で未来を変えていこう! カーボンニュートラルに向けた水素社会実装の取組み」と題したプレゼンテーションが実施された。そこで語られた、水素社会“実証”ではなく“実装”への道とは? REPORT:遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO:遠藤正賢、トヨタ自動車 FIGURE:トヨタ自動車
トヨタのFC(燃料電池)開発の道のり
トヨタはモビリティカンパニーへの移行を目指す中で、パワートレーンのマルチパスウェイ戦略を採り続けているが、そのなかでFCV(燃料電池車)開発の歴史は比較的古く、乗用車に関しては1992年よりスタートしている。 その後2014年12月に初の市販モデルとして初代MIRAIを発売し、2020年12月に二代目MIRAIへと世代交代。2023年11月にはクラウンセダンにも設定している。その一方で燃料電池バスも開発しており、2018年には「SORA」をリリースした。 しかし燃料電池の技術が活かせるのは、乗用車やバスだけではない。トラックやフォークリフト、鉄道、船舶などのモビリティだけではなく、発電機などにも活用できる。実際これまでに世界15ヵ国・100社以上にトヨタのFCシステムは提供されてきた。 こうした流れは、世界全体がカーボンニュートラル実現に向けて動き出したことで、さらに加速。とあるシンクタンクは、2030年にはグローバルでの水素市場規模が年間5兆円へと急拡大し、とりわけ分野別では商用トラック、市場では欧米中が水素を「つかう」「つくる」領域において大きな需要が生まれると予測しているという。