センバツ2023 2回戦 英明、応援背に強豪撃破 智弁和歌山に3-2 接戦制す /香川
第95回記念選抜高校野球大会第2日の19日、英明(香川)は初戦となる2回戦で、強豪の智弁和歌山(和歌山)を3―2で降し、3回目の出場で大会初勝利を挙げた。甲子園では2011年夏以来となる2勝目。次戦の3回戦は、第7日(24日)第2試合で作新学院(栃木)対戦する。【中田博維、来住哲司】 昨秋の公式戦6試合で7本塁打を記録した智弁和歌山の強打戦に対して、「当たって砕けろ。思い切って腕を振り甲子園を楽しんでこい、と送り出した」。そう話す父亮さん(51)の思いを背に英明の先発、下村健太郎が立ち上がりから持ち味を発揮した。走者を出しながら緩急を使って得点を許さない。 互角の展開に、応援席のボルテージもアップ。学校関係者約900人と数では約3000人の相手の大応援団に劣ったが、チアリーディング部が負けじとスタンドを盛り上げた。在校生が6人と少なくOG16人が加わった。昨年の卒業生で医療系の専門学校に通う門野麗菜さん(19)は「出場が決まってから顧問の先生に声を掛けてもらった。全員が集まるのは今日が初めてだが、圧倒されないよう頑張りたい」と声援を送り続けた。 英明も序盤に2併殺と波に乗れない。五回にスクイズを失敗した尾中亮太は「絶対に決めないといけなかった」と反省したが、六回に寿賀弘都が先制打を放つと、「徐々に試合にも慣れてベンチで笑顔が増えていった」と尾中が言うように次第に流れは英明へ。 八回には中浦浩志朗の適時打が相手の敵失を誘って2点を加点。七回から寿賀、九回は百々愛輝がしのいで逃げ切った。香川監督は「最後は皆さんの応援(のおかげ)。智弁和歌山さんに負けない応援だった」と感謝していた ◇「仲間に感謝」 ○…接戦を制した英明の主将・中浦は誰よりもホッとした表情だった。捕手として下村、寿賀、百々の3投手の持ち味を引き出す好リード。打っては八回2死一、二塁の好機で左前適時打が相手失策を誘って2点を勝ち越し。「気持ち良かった」と振り返ったが、その裏の守備で自らの送球が、マウンドの寿賀の利き腕の左腕の肘に当たり、一時は治療のためベンチに引き下がる場面も。「寿賀は大丈夫だと、他の選手も気にするなと言ってくれたので切り替えられた」と仲間に感謝していた。