〈戦後80年で対立激化か?〉ビザ免除でも、SNSで過激化する“反日”への懸念、日中関係はどうなる?
いつ火がつくかわからないSNS
さらに、今年は戦後80年という節目の年であることから、例年夏から冬にかけて続く「日中の敏感な記念日」の前後は、日中間に不穏な動きが起きる可能性もある。現在のところ、中国政府は日本に歩み寄りと思える態度を示しているが、中国のSNSではインフルエンサーを中心に過激な言動が増えている。 中国のSNSは約10年前の15年前後から活発化し、誰もが使えるメディアになった。その弊害として、ナショナリズムが燃え上がりやすくなったり、政府もコントロールができない状況となったりすることもしばしばある。 福島第一原発の処理水の海洋放出を受け、中国国内に住む人々が、日本の企業や飲食店などに嫌がらせの電話を掛けてきたのは23年のことだったが、今後も戦争関連の報道が増えることにより、日本人の予測をはるかに超えるような事態が起こるかもしれない。 中国も巳(み)年は縁起がよい年と言われているが、今年の日中関係はどのようなことが起こるのか、明るい材料は乏しいのが現在の日中が置かれた現状だといえるだろう。
中島恵