コロナ禍での花粉症対策を堀向健太がわかりやすく解説
自分でできる花粉症対策
さて花粉が目や鼻に入ってくると、アレルギー症状が起こってくるのが花粉症でした。目や鼻にたどり着く花粉の量を減らすと、症状が起こりにくくなってきます。つまりメガネやマスクは最初の対策になります。コロナ禍なので、マスクは既に多くの方が着用されていることでしょう。スギ花粉の粒子はウイルスよりもずっと大きいので、普通のマスクで十分効果があります。 一方で、目や鼻がかゆくなってきますので、どうしても鼻や目をかいてしまいがちですが、粘膜からウイルスは感染しますので、手にウイルスがついていると今はリスクが高くなってしまいます。手洗いやアルコールによる手指消毒をすることを心がけましょう。 家庭で換気をする場合は、窓を小さく開けて短時間にとどめた方が良いでしょう。ヤフーでも花粉の飛散情報を発信していますので、花粉が多い日は窓や戸を閉め、布団や洗濯物の外干しは避けましょう。 空気清浄機は花粉症に有効ですが、部屋の出口付近に設置すると有効性が高いという報告があります。
花粉症の主な治療法
症状が出始めたら早めの治療開始をお勧めします。花粉が飛び始める一週間前から治療を開始すると有効性が上がるという初期療法が勧められていますが、既に多くの地域で飛散が始まっています。花粉の飛散が始まってから早めの治療開始でも有効性は十分上がったという研究結果もありますので、飛散量が少ない内に治療開始ができればいいでしょう。 では、どんな治療があるのでしょう。 最初に、抗ヒスタミン薬は多く使われています。抗ヒスタミン薬は、アレルギー症状が起こると出てくるヒスタミンをブロックする薬です。古い世代の抗ヒスタミン薬は、眠気や口が渇くなどの副作用が出やすかったのですが、最近はそのような副作用が少ない製品が増えています。 次に鼻噴霧ステロイド薬です。花粉症による、鼻づまりや鼻水に有効です。ステロイドと言うと危ないものと思う方もいるかもしれませんが、鼻噴霧ステロイド薬は、鼻粘膜以外にほとんど移行しない副作用のとても少ない製品がありますので、医師に相談してみると良いでしょう。ただしこれらはあくまで対症療法ですので、中止するとまた悪化していきますし、次のシーズンもまた使う必要性があります。 そこで最近、舌下免疫療法という根治が望める治療が普及してきています。これはスギの成分を含ませたタブレットをベロの下に1分間置いておくと、だんだんスギ花粉に対するアレルギーが軽くなるという治療法です。ベロの下に1分間錠剤を置いておかないといけないので、あまり小さいお子さんだと難しいのですが、子供でも保険適用となっています。注意点として3年以上の治療が必要であること、スギ花粉の飛散期には治療開始できないという点があります。飛散が始まった今シーズンはもう開始できません。今シーズンに症状がつらかった方は、飛散がおさまった頃にかかりつけ医に相談してみてください。 とはいえ病院に通いづらい場合もあるかもしれません。そのような場合はドラッグストアでも眠気の少ない抗ヒスタミン薬や鼻噴霧ステロイド薬が販売されていますので、薬剤師さんに相談してみると良いでしょう。