【泣ける名作韓国ドラマ】韓ドラのプロが選ぶ! 一生に一度は観たい、泣けて心に沁みる良作ドラマ
『ムービング』/特殊能力×ロマンス×ヒューマンの共鳴が凄まじい名作
あらゆる世代が虜になった2023年のベスト韓ドラの見どころをさすらいのライター山崎が解説。 私の韓流ドラマ歴代No.1がこの作品によって塗り替えられた、といっても過言ではないかと思われます。超能力を持ちながら、それを隠して生きている3家族を主軸に、愛する人たちを救うために闘う物語です。と聞くと、アクションヒーローものか?と思われがちですが、韓国史上最高の650億ウォンをかけたという壮大なスケールで、単なるスカッと爽快ヒーローものではなく、何度も何度も胸締めつけられるハートウォーミングなお話になっているのが、やっぱり韓国ドラマならではというか。物語は子世代の学園トライアングルラブから始まり、続いて親世代の切ないロマンスが展開され、最後は一丸となって北朝鮮の特殊能力者たちと闘うシーンへと繋がっていくのですが、なぜ、超能力を隠しているのか、なぜ、子どもたちは生まれてきたのか、なぜ、トンカツなのか、なぜ、チキンなのか、なぜ、子どもの帰りをじっと待っているのか、そんな“なぜ・なぜ・なぜ”の伏線が解き明かされるたびに心の底からじ~~んと震えが止まらないのです。騙されたと思って観てほしい、そんな作品。
『良くも、悪くも、だって母親』/切なくもどかしい、母子の物語
ラ・ミラン×イ・ドヒョンの親子の絆に涙するヒューマンドラマの見どころをエディターKが解説。 養豚場で働くヘシク(チョ・ジヌン)と結婚し、産まれてくる我が子に会える日を待ち侘びながら幸せに暮らしていたヨンスン。しかしその幸せはほんの一瞬で過ぎ去り、養豚場を狙う悪党たちによって愛する人を失い、人生を狂わされてしまいます。すべては「貧しさと無知からくる不幸のせいだ」と悟ったヨンスン(ラ・ミラン)は、愛息ガンホ(イ・ドヒョン)には決して同じ想いをさせまいと、行き過ぎた教育でガンホを苦しめていくんですよ。序盤でがっつりとヨンスンの苦悩にフォーカスされているだけに、憎めないし、感情移入もしてしまう。けれど、お腹いっぱいになると眠くなる=勉強が捗らないと好きなものを思うように食べさせてもらえなかったり、遠足にも行けずにひたすら勉強させられていたり、制限しかない人生で自由な時間が一瞬もないガンホを見ていると、胸が苦しくなる。産まれた日から人生が決められているというのは、どんな気持ちなのか。双方の感情が痛いほど伝わってくるからこそ、もどかしい……。現代社会に通ずる闇にも踏み込んでいるなと感じる作品です。