藤井貴彦アナ 日テレ退社 52歳の決断を取材…背景にあった亡き父への思い
日本テレビの藤井貴彦アナウンサーが3月いっぱいで退社することになりました。今後はフリーとして活動する藤井アナウンサーを取材すると、亡くなった父の存在が決断のきっかけになったことや、同期・羽鳥慎一さんに報告した時のエピソード、14年担当した番組への思いなどを明かしました。 【画像】言葉を正しく届ける…こだわりを語る藤井アナ
藤井アナは1994年に日本テレビに入社。スポーツ実況や五輪の現地リポーター、『ズームイン!!サタデー』の総合司会など、多くの番組を担当してきました。『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』ではドーバー海峡横断部にも参加し、話題になりました。 2010年春から14年にわたって夕方のニュース番組『news every.』のメインキャスターを務めてきましたが、この春からは夜の『news zero』を担当します。
■父が亡くなった年齢に近づき…フリー転身を決断
――フリーになると決めたきっかけを教えてください。 私自身、退社を考えたこともありませんでしたし、このまま定年を迎えるのだろうと思っていました。周りの友人も、「藤井にフリーは無理だろう」と思って気を遣ってくれたのか、話題にもなりませんでした。フリーの話をしてくれたとしてもそれはギャグの扱いで、私自身も笑っていたくらいです。 しかしzeroへの移籍についてよく考えてみると、自宅での夕食の機会も少なくなるでしょうし、友人と飲む回数も減っていくことにもなると気づいたのです。これは仕事への情熱とは別の要素ですが、仕事に力を注ぐ上で大切な要素でもあるのです。私に残された人生の時間はあとどれくらいかと逆算してみると、残りは少ない。これまで以上に自分の時間を大切に、充実させる必要があると考えたのです。 ――会社員人生30年、52歳での新しい挑戦。なぜ今だったのでしょうか? 実は私の父は58歳で亡くなりました。仕事に懸命に取り組み、家族を育て、養ってくれていた父の年齢まで気づけばあと6年です。父は楽しい人生を送れたのかな、もっと生きたかったんじゃないかなと考えることもあって、父の年齢を一つの目印にして生きてきました。 その目印がどんどん大きく近づいてきた今、少しだけ自分のことを大切に考える時間があってもいいのではないかと考えたのです。もちろんnews every.を卒業すること、zeroのお話をいただいたこと、この4月でアナウンサー生活が満30年になることはフリーになる理由、タイミングとしては十分だったのですが、私としては父の人生が新たな一歩を後押ししてくれたと思っています。