ネタニヤフ氏のICC逮捕状、対応分かれる欧米 G7外相会合で議論
主要7カ国(G7)の議長国を務めるイタリアのメローニ首相は、25~26日に開くG7の外相会合で国際刑事裁判所(ICC)がイスラエルのネタニヤフ首相らに出した逮捕状への対応を議論すると22日発表した。逮捕状をめぐる欧米諸国の反応は割れており、G7として統一したメッセージを打ち出す狙いがあるとみられる。 G7外相会合は伊中部フィウッジなどで開催される。イタリア政府は当初、イスラエル軍とイスラム組織ハマスやレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘が続く中東情勢、ロシアの侵攻が続くウクライナへの支援などを議題に挙げていた。 メローニ氏は22日の声明で、ICCがイスラエルのネタニヤフ首相とガラント前国防相、ハマス軍事部門トップのデイフ氏に戦争犯罪などの疑いで逮捕状を発行したことについて、「ICCの決定の動機は政治的な性質であってはならない」と表明。G7としての逮捕状への対応を外相会合の議題に加えると明らかにした。デイフ氏については、イスラエル側が殺害を発表したが、ハマス側は認めていない。 逮捕状の発行を受けて、G7のうち米国以外のICCに加盟する6カ国には、ネタニヤフ氏の逮捕に協力する義務が生じたことになる。 バイデン米大統領は「言語道断」と非難したが、伊メディアによると、クロセット伊国防相はネタニヤフ氏がイタリアに来た場合には「逮捕しなければならない」と述べた。仏外務省もICCの決定を「尊重する」と表明するなどG7の中で立場の違いが表面化している。
朝日新聞社