【高校サッカー選手権】日大藤沢 佐藤輝勝監督「彼を知り己を知れば百戦殆からず」で県3連覇を目指す
10月26日、第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選2次予選の準々決勝が行われた。県3連覇を目指す日大藤沢は平塚学園と対戦し5-1で勝利を収め、準決勝進出を決めた。 【フォトギャラリー】日大藤沢 vs 平塚学園 6月に行われたインターハイ県予選で3年連続で本戦出場を目指した日大藤沢だったが、準決勝でライバル・桐光学園に0-3と完敗。苦汁をなめたチームは、和倉ユース、青森ユースと酷暑の中で他県の強豪校と相まみえながら研鑽を積んできた。そして迎えた選手権2次予選の2回戦で優勝候補の一角・桐蔭学園を撃破、そして準々決勝では粘り強く絡みついてきた平塚学園を「剥がして、剥がして、剥がしまくる」日藤スタイルで一蹴した。 「相手がどういう風にしてくるか、自分たちが相手を見て今季はサッカーをやろうってずっと言い続けてきたのですが、最初なかなかそれが難しくて。チームでは『呼応』って言ってるのですが、お互いにコーチングしながら、相手の立ち位置がこうだったら(それを)見ながら5、10分過ぎたあたりから、自分たちで反応し合える、呼応し合えるようにようやくなってきました。(今日は)そこが自分たちのペースでの剥がしに繋がったかなって思います。もちろん相手も対策してきますけど、それならこっちもあるよね、こっちを対策してきたらこうもあるよねって、(相手も)わかってるのに止められないような形を求めています」 平塚学園ペースになった時間帯に日大藤沢の選手たちは、しっかりと相手を分析、それぞれが描いたイマジネーションをピッチの上で『呼応』させ、しっかりと準備していた。だからこそ、次から次へと剥がしまくれたわけだ。実に奥深い。しかし、当然そこに至るにはその礎になるものも必要だ。 「やっぱり顔が上がるようになったのは大きいですね。地道に技術的なこと、そしてお互いの特徴を理解し合って、相手の立ち位置に対してどう対処するかという引き出しができるようになったのは非常に大きかったですね。やっぱり顔が上がらないと難しかったですけど、全員がしっかりボールのコントロールとか、そういうベースを2、3年ずっとやり続けて来て、それを信じてできるようになってからは、やっぱり相手を見てゲームができるようになってきました。そこは本当に頼もしいなと思いますね」 そしていよいよ視界に入ってきた日大藤沢史上初の県3連覇。 「我々は我々らしく良い準備をして、自分たちのサッカーをしっかり、でも相手があることなんで、相手のこともしっかり見ながら、『彼を知り己を知れば百戦殆からず』になるように一歩一歩毎日毎日こう詰めて。まずは今日の快勝を忘れる作業からしっかり入って、その上で、やっぱり(我々は)タイトルを取ってないチーム、(夏に)全国に行けてないチームなので、『勝ちたい』という気持ちを前面に出してピッチに立ってもらいたい」と指揮官はあくまでも冷静だ。そして「選手たちが自分たちの判断で見てて魅力的な、今日みたいなゴールが生まれて、(観に来てくれた皆さんに)また来たいなと思ってもらえるようなそういうサッカーを(準決勝で)相模とも、そして決勝でもやりたいと思います」と抱負を口にした。 準決勝の相手・東海大相模は今夏のインターハイ出場校。夏の経験を活かし、こちらも尻上がりに調子を上げている。 "足下でつなぎ倒してゴールを奪う相模"と"剥がして剥がして剥がしまくる日藤"のファイナルをかけた大一番。 11月4日のニッパツ三ツ沢球技場は熱くなりそうだ。 (文・写真=西山和広)