大谷翔平「『後がない』という感覚自体ない」 チーム2連敗で崖っぷちも平常心「2連勝すればいいゲーム」
「ナ・リーグ・地区シリーズ、パドレス6-5ドジャース」(8日、サンディエゴ) ナ・リーグの地区シリーズ(5回戦制)第3戦が行われ、ドジャースの大谷翔平選手(30)は敵地サンディエゴでのパドレス戦に「1番・指名打者」で出場し、4打数1安打だった。チームは敗れて1勝2敗となり、後がなくなったものの、大谷はここからの2連勝に自信を見せた。パドレスは2年ぶりのリーグ優勝決定シリーズ進出にあと1勝。第4戦は9日(日本時間10日)に行われる。千賀のメッツはフィリーズに勝利し、2勝1敗とした。 【写真】大谷のバットが真っ二つに割れた それでも力で中前打を記録 いつものように背筋を伸ばし、正面を見据えて心の内を言葉にした。「2連勝すればいいゲームと思っているので、『後がない』とかの感覚自体が今の僕にはない。2連勝すればOKっていうそういうゲームだと思います」。ネガティブな感情をみじんも見せない。平常心。敗戦後も大谷らしさを貫きとおした。 敵地での第3戦。球場史上最多4万7744人が埋めたペトコ・パークで、試合前の選手紹介の時から地鳴りのようなブーイングを浴びた。「盛り上がってて素晴らしかった。ポストシーズンだな、と。ドジャースタジアムもそうでしたけど」。レギュラーシーズンにあった一部のド軍ファンの声援もこの日は聞こえない。打席に立つたびに敵軍ファンから最大級のリスペクトを受けた。 プレーボール直後の打席は空振り三振。心強かったのは、ベッツにポストシーズン30打席ぶりの安打となる本塁打が出たこと。強烈な先制パンチとなったはずだが、二回に拙守からピンチを招き6点を失った。 大谷が勝利への執念を見せたのは三回無死一塁の打席。チェンジアップにバットを折られながら中前へ運んだ。好機拡大。4番T・ヘルナンデスに満塁弾が飛び出した瞬間、ダイヤモンドを回りながら雄たけび。喜びを爆発させた。 しかし、パドレスの強力な投手陣の前に次の1点が遠かった。点差以上に力の差を見せつけられたが「劣勢から追い上げているので自信を持っていい。この流れを持って来られれば、必ず2連勝できる」と、“負け方”をプラス材料とした。 大谷のポストシーズン3試合の打率は・231だが「状態自体はいい」。試合後のロバーツ監督も「いい感覚を持っていると思う。明日は特別なことをしてくれると感じている」と全幅の信頼を寄せる。 「ここでできている自体に感謝したい。ここまで健康に野球ができて今日もプレーできたことに感謝したい」と大谷。前を向いて第4戦に臨む。