お世話になった人が亡くなりましたが、葬儀は「家族葬」だそうです。参列や香典もNGと聞きましたが、本当でしょうか?「香典」だけでも渡したいのですが、マナー違反になりますか?
お世話になった人の訃報が届いたら、葬儀に参列して最後のお別れをしようと思う人は多いでしょう。しかし、「葬儀は家族葬で執り行います」と言われたら、どう対応すればよいのでしょうか? ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい? 本記事では、家族葬の場合の参列や香典などの一般的なマナーについて紹介します。
家族葬とは
家族葬とは、家族や近親者など、近しい身内のみで執り行う葬儀のことです。親族だけでなく、故人とごく関係の深かった友人などが参列することもあります。 ■増えている家族葬 以前は、葬儀といえば多くの弔問客が訪れる一般葬が多数派でしたが、最近は身内だけで執り行う家族葬が増加しているようです。 株式会社鎌倉新書が2024年3月に行った「第6回お葬式に関する全国調査」によると、行った葬儀の種類は、家族葬が50.0%、一般葬が30.1%、1日葬が10.2%、直葬・火葬式が9.6%と、家族葬の割合が高くなっています。 ■家族葬の特徴 家族葬の1番の特徴は、参列者が限られていることです。一般葬では、故人の仕事関係者や近隣住人なども参列することが多く、故人の交流関係によっては参列者の人数が予測できないこともあるでしょう。一方、家族葬は、親等の近い親族や、ごく親しかった関係者などの少人数で行われます。 そのため家族葬では、遺族が弔問客の接待に気を回すことなく、ゆったりと静かに故人とお別れができるといわれています。また、参列者が限られているため、大きな式場を借りる必要もなく、飲食接待費などの葬儀費用も高額にならずに済みます。 他方、家族葬では「誰に参列してもらうか」「知人・友人を呼ぶとしたらどの範囲まで呼ぶか」などの判断が難しいといった側面もあるようです。
「家族葬」と言われたら
友人や知人などの訃報が届き「家族葬で行います」と添えられていたら、どのように対応すればよいのでしょうか。参列や香典など、家族葬に関する一般的なマナーを紹介します。 ■参列してよいか 一般的に、家族葬では喪主や遺族から参列をお願いされた場合のみ、参列します。 訃報が伝えられても葬儀会場や葬儀日時の案内がない場合や、葬儀の案内があっても「参列不要」と書かれているときは、家族の気持ちを尊重し、参列は控えましょう。 ■香典を渡してよいか 家族葬では、香典を辞退されることが少なくありません。家族葬の案内があっても「香典辞退」と書かれていたら、香典は渡さないようにします。 香典を受け取ると、香典返しや会葬御礼などが必要になってしまうからです。遺族にそうした気遣いや費用をかけさせないよう、香典を辞退されたらその通りにしましょう。供花や供物なども辞退されることがありますが、その場合も同様です。 ■訃報を広めない 家族葬の案内が届いても、別の知人に訃報を広めるような行為は慎まなければなりません。家族葬の場合は、静かに故人を見送りたい遺族の気持ちを大切にし、おおごとになってしまわないよう配慮しましょう。 ■気持ちを伝える 知人や友人が亡くなり、家族葬のため参列や香典を辞退されたときでも、はがきや手紙、メールなどで遺族にお悔やみの気持ちを伝えることはできます。タイミングとしては家族葬の直後ではなく、葬儀が終わって1週間ほどたった頃がよいといわれています。なお、電話でお悔やみを伝える場合、葬儀前や葬儀直後は避けたほうがよいでしょう。
まとめ
親しい友人やお世話になった知人などの訃報が届き、家族葬で執り行う旨が伝えられたときは、特にお願いされた場合を除き、参列は控えます。香典も辞退されることがありますが、その場合は無理に渡さないことがマナーでしょう。 お世話になった人と最後のお別れができないことをさびしく思う人もいるかもしれませんが、家族葬では遺族の気持ちを尊重することが大切です。 出典 株式会社鎌倉新書 いい葬儀 【第6回】お葬式に関する全国調査(2024年) 執筆者:橋本典子 特定社会保険労務士・FP1級技能士
ファイナンシャルフィールド編集部