「所得控除」とは? 新しくできたもの、変更があったものを解説
所得税の計算では、10種類の所得を計算した後、損益通算をします。そこで算出されたものを「総所得金額」と言います。これから「所得控除」したものを「課税総所得金額」と言います。この所得控除をうまく使うことによって、所得税を軽減しましょう。
所得控除とは
所得控除が多ければ課税される所得金額が少なくなり、結果、所得税額が少なくなります。 所得控除は、所得税額を計算するときに各納税者の個人的事情を加味しようとする目的で制度化されているものです。それぞれの所得控除の要件に当てはまる場合には、各種所得金額の合計額から、各種所得控除額の合計額を差し引くことができます。
所得控除の種類
所得控除は、現在15種類あります。所得控除は大きく分けて物的控除と人的控除に分かれます。 物的控除は、雑損控除、社会保険料控除、医療費控除、生命保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、地震保険料控除、寄附金控除の7種類です。 人的控除は、ひとり親控除、障害者控除、寡婦控除、配偶者控除、配偶者特別控除、勤労学生控除、扶養控除、基礎控除の8種類となっています。 なお、日本国内に住所などがない非居住者の場合の所得控除は、基礎控除、雑損控除、寄附金控除の3つです。
新しくできた所得控除
「ひとり親控除」は2020年分の所得税から適用されました。納税者がひとり親であるときに適用され、控除額は35万円です。 「セルフメディケーション税制」は、2017年から始まった新しい医療費控除制度の特例で、スイッチOTC医療品購入費を支払い、一定の条件を満たせば適用されます。通常の医療費控除とは併用できませんので注意してください。次元的措置ですが前回更新されました。 「地震保険料控除」は、2007年からできた所得控除です。最高額5万円です。これは、2006年まであった損害保険料控除が改組されたもので、現在は利用できません。しかし、経過措置として、2006年12月31日までに契約した長期損害保険に加入している方などは、長期損害保険料控除の適用を受けることができます。