611psでサーキットへ最適化! メルセデスAMG GT 63「プロ」へ試乗 圧巻のパフォーマンス
611psでサーキット・フォーカスのプロ
メルセデスAMGの調査によれば、2+2のクーペ、GTを購入した人の多くがサーキットでの走行を希望しているという。もちろん、その殆どはプロのレーシングドライバーではない。しかし走行会へ出向き、愛車の潜在能力を解き放つ人は少なくないとか。 【写真】圧巻のパフォーマンス メルセデスAMG GT 63 プロ 競合の高性能モデルたち (134枚) 今回試乗したAMG GT 63 プロ 4マティック+は、まさにそんな要望へ最適化したモデル。AMGドライビング・アカデミーが開催するイベントで、思い切り楽しむために生み出された。 ベースになったのは、2024年前半に発売されたGT 63 4マティック+。ドイツ・アファルターバッハで組み立てられる4.0L V8ツインターボエンジンを積むが、更なるチューニングを受けている。 そもそも不足なかったものの、GT 63 プロの場合、27psと5.1kg-m増強。最高出力611ps、最大トルク86.5kg-mを獲得した。 このユニットは、プラグイン・ハイブリッドのGT 63 E-パフォーマンスと共通する。しかし重たいリチウムイオン・バッテリーや駆動用モーター、充電システムなどは搭載されない。電動アシストは得られないが、車重は1875kgに留めている。 また、サーキットでは高い負荷が想定される。これに備え、冷却系を強化するべく、フロントには2枚のラジエーターを追加。前後のディファレンシャルも、電動ウォーターポンプが組まれ水冷される。
固定式ウイングにカーボンセラミック・ブレーキ
意外にも、サスペンションは変更なし。構成は前がダブルウィッシュボーン式、後ろがマルチリンク式で、キャンバー角やブッシュ類も同じ。ステアリングラックやレシオも同一だという。 タイヤはミシュラン・パイロットスポーツS5が標準。サイズは、前が295/30 ZR21、後ろは305/30 ZR21を履く。 トランスミッションは、AMGの9速マルチクラッチ・オートマティック。トルク分配率を可変できる、4マティック+と呼ばれる四輪駆動が組まれ、0-100km/h加速は3.2秒でこなす。ベースとなったGTより、0.5秒も速い。 ちなみに、0-200km/h加速は10.9秒。最高速度は317km/hが主張される。 ボディ回りでは、冷却効率と安定性を高めるため、アンダーボディへ新しいフィンなどが与えられ、気流が最適化されている。フロントバンパーのエアインテークは大型化され、リアには固定式のカーボンファイバー製ウイングが載る。見た目も勇ましい。 ブレーキは、通常はオプション設定のカーボンセラミックが標準。ディスクの直径は、前が420mm、後ろが390mmという大きさを誇る。キャリパーは前が6ポッドで、後ろが1ポッド。ブレーキカバー・プレートの形状も新しく、冷却効率が高められた。 キャビンでは、+2のリアシートが省かれる。ただし、必要ならオーダー時に装備させることも可能。それ以外は、基本的にGT 63 4マティック+と共通する。内装は高品質で、存分に運転へ集中できる環境といえる。