大谷翔平らの試合開始危機を救った蜂駆除プロ「すごい重圧でした」始球式にも“緊急登板”
◆米大リーグ ダイヤモンドバックス―ドジャース(30日・米アリゾナ州フェニックス=チェースフィールド) ドジャース・大谷翔平投手(29)が「2番・指名打者」で先発出場の30日(日本時間5月1日)の敵地Dバックス戦で、蜂駆除の専門家がヒーローになった。 屋根が開閉式のドーム球場・チェースフィールドは午後5時より前から屋根を開けての試合の準備を始めたが、バックネット最上部などに蜂が大量に飛来。気がつけば“蜂の巣”のような状態になった。現地中継も大騒ぎ。両軍の選手らもベンチから思わず口を開けて見つめていた。大谷は腕を組んでじっとしている姿が映し出された。 試合開始予定時刻の午後6時40分(日本時間午前10時40分)から約70分が経過した同7時50分頃に害虫駆除会社「Blue Sky Pest Control」フェニックス店の支店長、マット・ヒルトンさんが到着。防護服を着てからクレーンで上昇し、バックネットの蜂をあっという間に吸い取った。クレーンで下降していく際には観客から大歓声を浴び、思わず左手でガッツポーズ。MVPコールも受けた。センターバックスクリーンには「THANK YOU BEE GUY」という文字が映し出された。 作業後には急きょ始球式を務めることが決定。ノーバウンド投球を披露し、大きな拍手が送られた。試合は1時間55分遅れの午後8時35分に始まった。ヒルトンさんは始球式を投げた後に日米メディアの取材に対応。「試合を始められるように、というすごい重圧でしたから。でも、ここに来て処理ができて良かったです」と笑顔。「フィールドに降りてきたらバギーが来て、それでクルージングして、そしたらちょっと熱くなっちゃって(笑い)。楽しい時間でした」と“ヒーロー”となった瞬間を振り返った。 会社から呼び出しの電話を受けた際は「6歳の息子のティーボールの試合を見ていた」と言う。「一大事なので、大至急来るようにという電話だった。マイナーリーグからメジャーリーグにジャンプして驚いた。何てクールなんだ」とほほ笑んだ。息子の試合は最後まで見られなかったが、「彼はきっとガッカリしていたでしょうが、これで問題ないでしょう(笑い)」と話した。
報知新聞社