サンゴ白化、影響は軽微 大島海峡でリーフチェック 瀬戸内町海を守る会
鹿児島県瀬戸内町のダイビング事業者らで組織する「瀬戸内町海を守る会」(三島茂尚会長)は11月30日、加計呂麻島・安脚場沖約200メートルの礁斜面で、サンゴ礁の健全度を調査するリーフチェックを行った。夏の高海水温の影響に伴い、水深2メートル以下でミドリイシ属群体の半数以上に白化による死滅がみられたものの、サンゴの被度(海底面に占める生きたサンゴの割合)は水深5メートル、10メートル地点ともに50%以上を維持し、白化による影響は比較的軽微だった。 海を守る会は、町の委託を受け2001年から安脚場の同地点で潜水調査を続けており、今年で24回。奄美大島南部の海域では01~05年にオニヒトデが大量発生し、食害でサンゴが壊滅的なダメージを受けたが、同地点は02年にサンゴ保全海域に設定され、オニヒトデの集中的な駆除によりサンゴ群落が保全されてきた。 今回のリーフチェックには、チーム科学者で奄美海洋生物研究会の興克樹会長と同会会員9人に加え、大島海峡で海洋保全活動などに取り組む「奄美せとうち海っ子クラブ」所属の古仁屋高校生2人が初参加。サンゴの被度をはじめ、魚類や無脊椎動物の個体数等のチェック方法などを学びながら、水中撮影のアシスタントにも挑んだ。 調査結果によると、水深5メートル地点の生サンゴ被度は前年比2・5ポイント減の51・9%となり、うち9・4%が白化群体で、特にコモンサンゴ属に多かった。水深10メートル地点の同被度は前年比8・8ポイント減の50・0%で、ミドリイシ属群体やリュウキュウキッカサンゴ群体で白化による死滅がみられた。両地点ともオニヒトデは確認されなかった。 古仁屋高校海っ子クラブの生徒は、初の調査を終え「夏に泳いだ時より浅場は白化が進んだ印象。クラブで今、ダイビングライセンスを取得中なので、次は潜って調査を手伝いたい」と話し、クラブリーダーの生徒は「近年は台風も少なく、小さい頃の海と比べ、サンゴの白化が進んでいる。海を守ることで観光業や地域活性にもつなげたい」と語った。
奄美の南海日日新聞