“人の悲しみを癒す” 異例のロングラン映画「骨なし灯籠」監督の故郷・名古屋で凱旋 熊本では連日満席に
夫の故郷で立ち上げた映画プロジェクト
資金調達に奔走し、クラウドファンディングも活用、さらに2人の蓄えもつぎ込みました。メガホンは撫子さん自らが取ることに。 映画の完成後は上映場所を探さなければなりません。熊本市で創業110余年の歴史をもつミニシアター「Denkikan(でんきかん)」が熊本発の映画の上映を意気に感じ2週間の上映が決まりました。 「様々な映画が毎年製作され、日本では多くの作品が2週間という上映期間になっています」(木庭民夫プロデューサー) こうして、今年3月下旬に熊本市内で公開された「骨なし灯籠」は、夫婦の想像を超える結果をもたらしました。 連日満席となり、劇場側も上映の延長を決め8月15日まで、約5ヵ月近いロングランとなったのです。 「ミニシアターでは普通1000人動員できればよい方と言われるなか、約5800人と記録的大ヒットとなりました」(木庭民夫プロデューサー) 「映画館のオーナーが『最後まで駆け込みで入るっていうのは、本当に愛されている映画なんだ』と」(木庭撫子監督) 「心の中に寂しい気持ちを抱えて生きている人が実は世の中にはたくさんいて、この映画は人の悲しみを癒している」(木庭民夫プロデューサー)
夫婦の悲しみも紡がれる
「人を亡くした悲しみをいやす映画」。実は撫子監督は山鹿に住む前に両親を亡くしていて、夫の民夫プロデューサーは20年ほど前に前妻を事故で亡くす過去を持ちます。 「骨なし灯籠」の背景には2人の悲しみが紡がれています。 全国に向けた上映は7月公開の神戸では、3週間で1500人を動員。そして、今回の名古屋での3週間の上映へと広がりを見せています。 愛知県では、10月18日~24日、名古屋市中村区名駅の「ミッドランドスクエアシネマ」と、10月25日~11月7日、愛知県豊山町の「ミッドランドシネマ名古屋空港」で上映されます。 20日(ミッドランドスクエアシネマ)と26日(ミッドランドシネマ名古屋空港)には、舞台挨拶もあります。 (メ~テレ記者 川村真司)