「逮捕怖くない」豪語の立花孝志氏と斎藤元彦知事を“同時捜査”に踏み切った「兵庫県警の狙い」
年末に向けて兵庫県警の動きが慌ただしい。 先の兵庫県知事選で再選した斎藤元彦知事、そして同知事を後方支援した『NHKから国民を守る党(NHK党)』党首の立花孝志氏に捜査のメスが迫っている。 【写真】立花孝志氏 青山のクラブで美女に囲まれウハウハの夜 立花氏は12月15日に投開票された大阪府泉大津市長選で現職に敗れて落選。得票は南出賢一氏の2万1700票に対し、立花氏は4439票。当日の有権者数は6万239人で、投票率は前回より6.27ポイント上昇の44.07%だった。現地取材をしたテレビ局記者の話。 「立花氏は有名ユーチューバーが店を並べる商店街をつくり、ユーチューバーのオリジナルグッズをふるさと納税の返礼品にすると宣言。NHKが受信可能なテレビを捨ててチューナーレステレビを購入した人に助成金を出すことも公約に掲げていましたが、全く響きませんでしたね。むしろアンチが大挙して押し寄せ、街頭演説はカオス。立花氏と口論になる場面もありました」 選挙戦後にはさらなる動きがあった。 ◆兵庫県警の電話に立花氏は 同氏は16日にユーチューブチャンネルを更新し 「先ほど兵庫県警本部から電話がありました」 と県警から任意の事情聴取の要請があったことを明かした。容疑は兵庫県議会の百条委員会の委員長を務める奥谷謙一県議への名誉毀損。奥谷氏は先月、立花氏にSNSで虚偽の内容を投稿されたとして刑事告訴していた。 立花氏は 「捜査2課からの電話です。12月22日に兵庫県警に行ってきます」 と予告。続けて 「奥谷委員長の名誉を毀損したことはわかっている。けれども、真実相当性があれば問題ない」 と強気の姿勢を崩さなかった。 立花氏によると、今年だけで名誉毀損での告訴は「6件目くらい」。もはや慣れたものと言いたいようだが、奥谷氏は別に脅迫罪でも立花氏を刑事告訴している。 「立花氏はかねて躁鬱病であることを公表しています。今年は都知事選あたりから休みなく駆け抜けており、気分も高揚しています。周囲には『逮捕は怖くない』と豪語。過去の裁判で執行猶予判決を受けており、次に有罪となれば収監されることになりますが、本人は『ハクが付く』くらいのことにしか思っていません」(立花氏を知る人物) もはや“無敵の人”と化している立花氏は来年1月の兵庫県南あわじ市長選にも出馬する見込み。さらに、3月16日投開票の千葉県知事選にも色気を見せており、選挙の“数珠つなぎ”は「逮捕逃れ」との憶測も飛び交っている。 時を同じくして斎藤知事にも兵庫県警のメスが入りそうだ。 ◆SNS選挙時代を見据えた捜査 県知事選でPR会社の代表が斎藤氏側から 「広報全般を任された」 と投稿サイトに書き込んだ問題で、神戸地検と県警が12月16日、斎藤氏が選挙運動で代表に報酬を支払ったとする公職選挙法違反容疑の告発状を受理した。 告発したのは郷原信郎弁護士と神戸学院大の上脇博之教授。告発状によると、斎藤氏は知事選の期間中、ネットの選挙活動を含む広報全般を企画立案して実行した報酬として、代表に71万5000円を支払った疑いがあるとしている。 これに斎藤氏側は 「ポスター関連費用」 という主張で、違法性はないとしている。 「告発から1ヵ月も経たないうちに受理されたのは異例。県警は今後、PR会社の女性社長を任意で聴取するだろう。そこでどんな供述が飛び出すかがポイントとなる」(警察OB) 斎藤氏と立花氏に対する捜査が同時に動き出したのは決して偶然ではない。当局は兵庫県知事選で“一体何が起きていたのか”をつまびらかにする必要があると考えているという。 「SNS上では相手陣営のデマや誹謗中傷も横行した。“いびつなうねり”を生み出したのは誰なのか調べる必要がある。当局としてはSNS選挙時代を見据え、そのカラクリを把握し、共有したい部分もあるのだろう。今回だとキーマンは斎藤氏と立花氏。だから年の瀬のこのタイミングで一気に動いた」 とは全国紙政治担当記者。斎藤氏、立花氏の命運やいかに――。
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