「サブウェイ」再浮上なるか ベタ惚れしたワタミが全てを賭けるワケ
赤字店舗は1つもなし 全店が黒字
11月14日にワタミが開催した2025年3月期上期決算説明会で、渡邉会長は「10月25日から3週間、サブウェイについてさらに知見を深めた」とし、「これからの日本のサブウェイの味は、ワタミが決めることに了承をいただいた。もっともっとおいしくなる」と、自信を見せた。 なぜ、渡邉会長はサブウェイが大きく成長すると思えるのか。現在国内で展開している178店に年間で赤字の店舗は1つもなく、全店が黒字なのが大きい。6.5坪と狭い立地で出店でき、駅前や郊外、学校や病院など場所を選ばないのも、有利な点だ。渡邉会長によれば「2000万円の投資で、6000万円の回収ができている」という。
ようやく「ワタミモデル」が板についてきた
今後、ワタミは3000店の出店予定を定め、逆算して計画的に出店していく方針だ。2025年1月から2026年3月で、まず35店を出店。2026年4月~2027年3月は50店を出店し、翌年からは毎年100店前後を出店しながら、10年で1065店を達成する計画だ。 具体的には、2025年1月に東京都大田区のワタミ本社ビル1階に研修店舗を出店予定。2月中旬には、新しいサブウェイの形を示す、フラッグシップ店舗を出店する予定もある。 なお、ワタミの2025年3月期上期決算は、売上高が433億8600万円(前年同期比7.6%増)、営業利益が22億1500万円(同22.5%増)、経常利益は18億8600万円(同44.3%減)。親会社株主に帰属する中間純利益は14億3700万円(同48.6%減)だった。順調に売り上げと営業利益が大きく伸びた一方、経常利益と中間純利益は激減している。3月末と比較してドル円の為替レートが円高で進行した影響が原因とのことだ。 セグメントごとの営業利益は、国内外食事業が売上高163億7100万円(同9.2%増)、セグメント利益が6億9600万円(同56.7%増)となった。居酒屋業態が好調に推移したのが大きく寄与している。コロナ禍を経て宴会ができる場所が減ったため、相対的に多く残ったワタミの店舗に、宴会需要が集中しているという。渡邉会長が中間決算発表で明らかにしたが、ここまで宴会予約は前年比で116%、12月は136%とさらに好調だ。顧客単価も鳥メロが130円、ミライザカが175円、上がっている。 ワタミファームで生産した有機野菜や、グラスフェッドアイスなどの畜産物をメニューに組み込み構想をあたためてきたワタミモデルがようやく現実化してきた感がある。料理の味を決めるソースなども、OEMやメーカーに頼るのを止め、全国に5カ所ある自社工場に戻した効果もあるだろう。