“台風7号”接近で再び問題視される「買い占め行動」はなぜ起こる?そこに潜む心理について日本人教授が解説
「買い占めは一種の“群衆心理によるパニック”です」
「人は本来、防災意識を持てと言ってもなかなか準備をしないのんびりしたところがありますが、得体の知れないものを怖がり、何かしなくてはいられなくなる性質もあります。今回の場合ウイルスは見えない敵なので、よりそれを感じやすいのかもしれません。その敵から逃れるためにはマスクが必要で、自分だけは助かりたいと思うと、そこに“早い者勝ち”という心理が生まれます。ひとりで何箱も必要ないのに一気に買い占めてしまうのは、そういう心理から発生しているのです」 一度買い占め行動を起こすとそれ以降、冷静な判断が下せなくなる人が多いという。例えば、すでに10箱のマスクのストックがあり、十分すぎるほど持っているのにもかかわらず、たまたま売っているのを見かけると「やっぱり心配だから買っておこう」と買い占めが止まらなくなってしまう。
買い占め行動に走らないためには
「こういった一部の独占的な購入は結局、社会全体にパニックを発生させてしまい、好ましくありません。また、必要な人に物資が届かなくなる危険もある」と碓井先生は指摘する。では、買い占め行動に走らないためにはどうしたらいいのだろう? 「こういった“買い占め行動”に対して情報を得ようとする方々は情報強者で賢いがゆえに、最初の買い占め行動のきっかけを作る人になりやすい。まずは、そこで行動しないことです。買い占めないためには、事前に防災の基本としての備えをしておく。起きてから動くのではなく、起こる前に想定してストックしておく。それが本当の意味での賢い情報強者ですね」