【南井克巳元調教師 豪腕の視点】雪辱Vのチェルヴィニア 計ったように差し切ったルメールはさすが
「オークス・G1」(19日、東京) 2番人気チェルヴィニアが2冠を狙ったステレンボッシュをゴール前で差し切り、13着に散った桜花賞から見事に巻き返した。ルメールは現役単独最多(歴代2位)となるオークス4勝目で、自身今年初のG1制覇となった。2着は1番人気ステレンボッシュ、3着には3番人気ライトバックが入り、桜花賞組が上位を独占した。 ◇ ◇ 桜花賞の1、3、4着馬、そして力を出せなかったチェルヴィニア、クイーンズウォークに注目していました。勝ったチェルヴィニアはルメールが自信を持って乗っていました。新馬戦から乗っていて、この馬を選んだのも納得ですね。桜花賞は13着だったけど、二四の距離も良かったのでしょう。 1000メートル通過が57秒7。レースは前2頭が引っ張りましたが、2つ目の集団はそれほど速いペースではない。クイーンズウォークの川田君が一番いい所で、一番いい競馬をしているな、と思って見ていました。直線も勝ったかなと思いましたけど、内から抜け出したのがステレンボッシュ。ルメールは道中ずっとそのステレンボッシュをマークしていたからね。自信を持って外へ出して、追いだしもゆっくりと。計ったように差し切りました。さすが。上手でしたね。 3着のライトバックも狭い所を割って、切れる脚を使っている。桜花賞もいい脚でしたから。力を出し切ったんじゃないでしょうか。ランスオブクイーンもよく粘りました。未勝利を勝ったばかりだからすごいよね。 2400メートルは全馬初めて。それでも桜花賞の上位馬がオークスでも上位に来ました。順当な結果なので、力がある馬だったということです。みんな無理をして使っていないし、キャリアが浅いから、これからの成長が楽しみです。(元JRA調教師)