本を出したい! でも一体何すればいい? から始まったライターが振り返る「私の本ができるまで」
原稿執筆(2)書き下ろしと、連載ものの違いは?
2冊目のときは、既に書き溜めた連載があったので、そこに加筆修正を加え、1章分を書き下ろしました。2年前に書いた自分の文章を読み返すと、よくこんなことが書けたな、と関心することもあれば、今と感じていることが全然違ったり、若さを感じて恥ずかしくなることもあります。自分の成長を感じる時間でもあります。あまりに書いた当時から心境が変化し、今の自分との乖離が激しい場合は、表現を修正したりします。 本だけでしか読めないことを書いて、読者さんに届くように、書き下ろし部分は、一から原稿を書きます。私は普段主にWEBで記事を書いていますが、WEBは拡散力がある分、コメントで傷つくことを書かれたりすることも多いです。長くなるので何があったかは端折りますが、生活に支障が出るほどダメージを受けることもありました。もちろん、何かを世に送り出すと、あらゆる反応が返ってくることは避けられないので、仕方ないことではあります。でも、やはり同じ文章を公開するということでも、WEBと紙では反応が全然違います。これはライターを始めて驚いたことの一つです。 WEBで文章を書く中で、あまりにいろんな経験をし過ぎたこともあり、センシティブすぎることは紙で書きたいと思い(と言ってもWEBでも結構書いちゃってますが)、ここぞとばかりに 、いつか本で書こうと思って溜めていた思いを本の原稿で書きなぐりました。そのせいか、本を読んだ人たちからは「書き下ろし部分だけ明らかに波動が違った」「書き下ろし部分が特に響いた」と言われました。溜まりに溜まった感情を爆発させたので、それが文章に出たのかもしれません。
校正鉛筆入れしてくれる校閲さんの美文字にいつも感動
さて、全て書き上げたら、何度か編集者とやり取りをして修正した後、デザインにテキストを流し込んでゲラ(校正するために印刷したもの)にします。ゲラのやり取りが何回かはケースバイケースのようですが、私の場合は2往復しました。その間、校閲が入り、誤字の修正はもちろん、事実確認や表現の確認をしてくれます。 毎回驚くのが、校閲さんの鉛筆の文字の美しさ。細かい部分まで丁寧に見てくれ、指摘だし(「これでいいですか?」など)をしてくれます。それに対し、反映するかどうかを赤字でチェックを入れていきます。