日本軽金属、連続鋳造製板事業を終了。溶解設備などグループで効率活用
日本軽金属は前期までに連続鋳造ライン「フレックスキャスター(FC)」によるアルミ板製造事業を終了した。グループの経営資源を最適配置する取り組みの一環で、稼働率が伸び悩んでいたFC事業から撤退。同事業が利用していた蒲原製造所の溶解設備などを効率活用し、企業価値向上を図る。 FCは、旧アルキャン(現ノベリス)と日軽金が共同開発したもので、ベルト式鋳造機技術をベースとする薄板連続鋳造(CC)設備。アルミ溶湯から直接板材を鋳造する製法により、従来の鋳造・圧延工程(DC)では生産が困難な合金や高強度・高成形性製品を製造できる特徴がある。ベルト内側の冷却機構(ノベリス社特許)が旧来のベルト式鋳造機の課題であったベルト変形に起因する欠陥発生を防止し、幅広製品も製造可能だった。日軽金は同設備を活用し、板厚45ミクロンの自動車ラジエーターフィン材やホンダ「アキュラRL」のフードインナー材を納入した実績を持つ。 日軽金は2004年に蒲原製造所にFCラインを設置し、名古屋工場と連携しながらアルミ板を製造していた。自動車ラジエーターフィン材などとして一定の実績はあったものの、近年は稼働率が伸び悩んでいた。 日軽金HDは今中期計画で、企業価値向上のための構造改革を目指しており、経営資源の最適配置を進めている。そのような中でFC事業から撤退し、同ラインの溶解設備などをグループ内で有効活用することが必要と判断した。