「誰でもいいです。アピールしてくれた人と結婚します」元宝塚・愛華みれの10歳下の伴侶との運命的な出会いと亡き母の導き
── 今は義理のお母さんとも同居されているそうですね。 愛華さん:ええ。夫婦げんかをしたときなど、まるで実の母のように「もう、お母さん聞いて!」と相談に行くんです。主人も「え、お母さんに言いに行くの?」って(笑)。いっぽう、母は「もう寝なさい。こんな時間にけんかしなさんな」っていったんは諭してくれるんですが、翌日、私が言えなかった気持ちを主人に代弁してくれたりするんです。すると主人が「あのときはごめんね」と。そんなお母さんはいつも私の公演を楽しみにしてくださって、お友達も誘って観に来てくれるんです。キラキラした舞台を見て喜んでくれるのがうれしいですね。
■母が天国から操っているのかも ── 2025年1月からミュージカル『チキチキバンバン』への出演が決まっていらっしゃいますが、今のお気持ちをお聞かせてください。 愛華さん:実は子どものころからよく歌を知っている作品なんです。父がドライブ好きで、車に乗るたびに洋楽をかけていて。私が「チキチキバンバン」と歌い始めると、家族みんなが「チキチキバンバン」と輪唱してくるんです。そのとき父は発明家のポッツ役で、母はトゥルーリー役の気分だったかもしれません(笑)。最近はそういう楽しい思い出がよく蘇ってくるんです。
── お母さんは舞台をずっと応援してくださっていたそうですね。 愛華さん:父は私が宝塚でトップになる前に他界してしまいましたが、母は私の宝塚時代も、退団後のミュージカルも、最期まで見守ってくれました。『ペテン師と詐欺師』のときなんて、私がコメディをする前から母の笑い声が聞こえてきて。「お母さん、ちょっと声が漏れているよ」って(笑)。そうやって私の活躍をいつも眩しそうに目を細めて喜んでくれていました。
振り返ると私が宝塚に入ったのは母の夢でもあったんです。「本物の人が見ればあなたを見出してくれる」って、私を洗脳するくらい言い続けてくれました。今、母は天国に行ってしまいましたが、『チキチキバンバン』との出会いも母が届けてくれたような気がするんです。まるで母の操り人形のように、母の思い描いた道を今も私は歩んでいるのかもしれませんね(笑)。 PROFILE 愛華みれさん あいか・みれ。女優。1964年11月29日生まれ、鹿児島県出身。元宝塚歌劇団花組の男役トップスター。ホリプロ・ブッキング・エージェンシー所属。ミュージカルはもちろん、MCや声優にもチャレンジするなど多角的に活動を続けている。 写真提供/愛華みれ
山田優子
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