「誰でもいいです。アピールしてくれた人と結婚します」元宝塚・愛華みれの10歳下の伴侶との運命的な出会いと亡き母の導き
── 病気が見つかってからも、ずっと支えになってくれたそうですね。 愛華さん:実は、がんになったことが結婚のきっかけにもなったんです。それまでの私はひとりで生きていく気満々でした。でも病気で少し弱気になって、初めて周りの優しさに気づけたんですね。特に忘れられないのが、副作用でうつ状態になってベランダから下ばかり見ていたとき。彼に「月がとても綺麗ですよ」と言われ、見上げた満月に不思議と心が癒やされました。「私なんてちっぽけな存在で、生きるも死ぬも私が決めることじゃない。ただ、今を精一杯生きればいい」と。そのときの月の満ち欠けが何か生命の営みに通じるような気がして。「まぁ、お月さまが決めてくれるでしょう」と、すーっと肩の力が抜けたんです。
家族からは鹿児島に帰ってきなさいと言われたんですが、私は東京で治療を受けたくて。ありがたいことに、彼の家族までもが病院に送り迎えをしてくれたりと、みんなで支えてくれる体制ができていったんです。最後は彼のお父さまから「そろそろ、うちの子をもらってくれないか」って(笑)。1月1日は私の母の誕生日でもあり、宝塚でもトップお披露目を1月1日にしたこともあってご縁を感じ、2009年1月1日に入籍しました。役場の方が気を利かせてくれて、1月1日1時1分にしてくださったんです。
■義母に夫婦げんかを諭されて ── ご結婚されてからの生活はいかがですか? 愛華さん:主人は10歳年下なのに職業柄か落ち着いていて。「あなたは、もうちょっと落ち着きなさい」なんて私が諭されることも(笑)。でも、私が病気のときに「病気も性格のひとつだよ」と言ってくれて、その言葉にすごく救われました。お互い、いいところも悪いところもあるけれど、それも含めて個性なんですよね。私も主人の「ここはどうかな」と思うところも「それも彼らしさね」と受け止められるようになって。2人でそれぞれのたりないところを補い合いながら過ごしています。
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