台湾の浜辺に眠る数千の戦没者 「祖国へ帰還」目指し発掘調査へ 慰霊祭に90人
慰霊祭の立ち上げ時に実行委副委員長として参画した舘さん。戦没者慰霊に関心を持ったきっかけは、大学時代の台湾研修で元日本兵の高齢者たちに話を聞いたことだった。
「日本人は悪いことをしていない。僕たちはあの戦争を一緒に戦ったからはっきり言える。胸を張りなさい」。日本は戦争で悪いことをしたアジアの嫌われ者というイメージを抱き、日本人として自信が持てなかった舘さんにとっては衝撃的で、「うれしくて涙が止まらなかった」という。
元日本兵の台湾人からもっと話を聞きたいと考えた舘さんは「生半可な気持ちでは失礼だ」と考え、自分を鍛えなおそうと大学卒業後に陸上自衛隊で2年間勤務。その後、日本語教師として台湾に渡った。
「戦没者の慰霊を大切にされている台湾のおじいさんたちの思いをつなげたい。ご遺骨の帰還に向けて、最後は国も動いてくれると信じています」と舘さんは話す。