他人が落としたおにぎりを息子が「ママ、食べられるよね?」元子役タレントが貧乏を脱しようと決意した瞬間
『あっぱれさんま大先生』で人気者になった、元タレントの中武佳奈子さん。芸能界を引退して、ホームレスまで経験しました。落ちるところまで落ちても、彼女は人を頼りませんでした。再起に本気になれたのは息子さんの言葉でした。(全5回中の4回) 【写真】「いまはようやく笑い合える」極貧生活を共にした息子との2ショット(全7枚)
■「お金は借りない」生活に困っても友人を頼らない理由 ── 『あっぱれさんま大先生』の「かなちゃん」の愛称でブレイクし、ドラマやCMなどで活躍するものの、事務所とのトラブルで芸能界を突然の引退。その後、離婚をきっかけに生活が貧窮し、ホームレスも経験されました。苦しい思いをされたと思いますが、友人にSOSを求めたりはしましたか?
中武さん:ずっと平気なふりをして、誰にも助けを求められなかったのですが、いよいよ限界がきたときに、支えになってくれた親友がいました。「うちにくれば?」と何度も言ってくれたのですが、私がかたくなに泊まらないのを知って「じゃあ、私もどんなもんか経験してみるわ」と、路上生活につき合ってくれたことも。彼女には本当に助けられました。感謝してもしきれません。 ── 支えになる友人の存在は、心強いですね。ただ、一時的な避難先として、泊まらせてもらってもよかったのでは?と思ってしまうのですが…。
中武さん:友人には受験生のお子さんがいましたし、私が家のなかに入ることで、彼女の家族のバランスや生活リズムが崩れることだけは、絶対に避けなくてはという気持ちがありました。 ── それはなぜでしょうか? 中武さん:きっと私自身の心の傷が影響していると思うんです。自分の芸能活動によって、家族の関係が崩壊してしまったのではないかという思いが胸の奥底にあります。大金を得たことで親が変わり、私自身「金づるなのでは?」という思いをぬぐえなかった。母は私の芸能活動につきっきりだったので、姉から母を奪うことになり、姉との関係もこじれてしまって。ですから、「自分の存在によって、家族の空気が壊れる」ことに恐怖感があるんです。「お金の切れ目が縁の切れ目」ということも痛いほど知っています。ですから、友人にお金を借りることも決してしませんでした。