米民主党全国大会開幕を控え、ポリマーケットではハリス氏がトランプ氏をリード:米予測市場動向
激しく変化する選挙市場で取引するベッター(賭けをする人)たち
先週末は、2024年のアメリカ大統領選挙に賭けるポリマーケット(Polymarket)トレーダーにとって活発な週末となった。 カマラ・ハリス米副大統領の当選確率は8ポイント近く下がり、一時はドナルド・トランプ前大統領と同率になったが、その後、4ポイントのリードを取り戻した(米国時間8月19日午前現在) 世論調査がハリス氏優勢にシフトしているにもかかわらずトランプ氏が好調なのは、一部のトレーダーがハリス氏ではなくジョー・バイデン大統領がまだ民主党候補と予想されていた頃の古い賭けに固執しているからだという説がある。 政治ベッティング(賭け)ポッドキャスト「Star Spangled Gamblers」の最近のエピソードで、ゲストの1人である政治ギャンブラーのゲーテン・デュガス(Gaeten Dugas)氏は、バイデン氏が撤退した後、市場はトランプ氏の勝算を正しく価格に織り込んでおらず、調整する必要があると主張した。 「トランプ氏の勝利は、バイデン氏が候補の時はかなりよく価格に織り込まれていた」と同氏は述べた。 「しかし、カマラ氏が候補になると確信した後は、トランプ氏の勝利に対する『ノー』を最高値で購入しているようなものだと考えた」 重要な点は、当初、ポリマーケット(米国居住者の利用を公式に禁止している)では、トランプ氏に大幅なプレミアムがついていたことだ。実際の有権者である米国人ユーザーは参加できないため、予測の正確性には疑問が残る。 米国の規制当局の許可を得て運営されている別の予測市場「PredictIt」では現在、ハリス氏がトランプ氏をより大きく引き離している。 もちろん、予測市場は完璧ではない。PredictItは2016年、ヒラリー・クリントン氏がトランプ氏に勝つ確率を、ニューヨーク・タイムズのモデルに沿って82%と予想したがクリントン氏は敗れた。そして、イギリスで国民投票が締め切られた時、ブレグジットの確率はわずか16%と予測していた。 今のところ、ハリス氏がリードしているようだ。米選挙世論調査のデータを手がける「RealClearPolling」では、トランプ氏に対してハリス氏が1.4パーセンテージポイントリードしており、統計学者ネイト・シルバー(Nate Silver)氏のSilver Bulletinモデルでは、ハリス氏が2.5パーセンテージポイント優勢となっている。 これがPredictItやポリマーケットの方がより公平であることを意味するのかどうかは、まだわからない。 今週はシカゴで民主党全国大会が開催され、その場でハリス氏が正式に党の候補者となるため、予測市場の参加者にとっては忙しい週になるだろう。そして、これらの市場にもレバレッジがまもなく導入されるため、さらにボラティリティが高まるかもしれない。