前節一発退場で立場に懸念も鎌田大地「僕自身はあまり心配していない」人種差別被害にも初言及
日本代表MF鎌田大地(クリスタル・パレス)が13日、ジャカルタでの合宿中に報道陣の取材に応じ、今月9日のプレミアリーグ第11節フルハム戦(●0-2)後に受けた人種差別被害について初めて言及した。鎌田はフルハム戦のタックルで一発退場処分を下された後、観客から人種差別被害を受けていたといい、所属先のクリスタル・パレスが調査に乗り出す事態に発展していた。 【写真】「全然違う」「びびるくらいに…」久保建英の9年前と現在の比較写真に反響 鎌田によると試合会場では人種差別発言に気づかず、クラブからの連絡によって知ったという。「僕は全然知らなくて、(試合後に)移動している時に電話がかかってきて言われた。僕自身は知らなかったし、聞いてもいなかった」と顛末を振り返った。 その上で「プレミアリーグ自体が人種差別に反対の意向を示しているのでそういうのはもちろん良くないと思うけど、僕たち選手はある程度、ピッチに入ったら散々言われているし」と冷静に受け止めている様子。クラブからのヒアリングについても「英語で言われたのであんまりわからなかったけど」と前置きしつつ、「何も聞いていない」と伝えたと明かした。 もっともこうした事案に対し、クラブ側が先陣を切って積極的な対策を行うのは素晴らしい姿勢。鎌田は加入1年目の自身を迎え入れたクラブの空気感について「みんないい人はいい人だし、もうヨーロッパも長いので、自分が日本人みたいな感じではない。何人(なにじん)とか、どこの国だという違和感もなくなって、今は特に何も考えていない」と口にするが、そうしたリーグ・クラブの取り組みがあっての環境だとも言える。 そんな鎌田だが、10月の代表活動後は同30日のカラバオ杯アストン・ビラ戦(◯2-1)での劇的なゴールで勝利に導いたかと思えば、直近のフルハム戦では一発退場処分を下されるなど、浮き沈みの大きな期間を過ごし、再び代表活動に戻ってきた。活動終了後は複数試合の出場停止が見込まれ、苦しい時期が続くことも想定されるが、冷静にこの苦境と向き合おうとしている。 気丈に向き合えるのも、これまでも数々の苦境を乗り越えてきた自負があるからだ。 「僕だけじゃなく、チームとしてそういうシーズンを過ごしているので、僕自身は一人でドリブル突破とか個人で打開できるタイプではないし、チーム状況が自分自身に影響してくるような選手なので、自分自身もやれることを増やしていかないといけないと思うし、チームとしてももっとうまくできると思う。いつもうまくいくようなシーズンを過ごしているわけじゃないので、難しい時にしっかりやり続けることが大事。今までもそうやってうまく乗り越えてきたので、僕自身はあまり心配していない」 それでもまずは日本代表活動を通じて、少しでも良いリズムを掴みたいところ。「基本的に積み重ねとしてやることがある程度わかっている上で、(10月の)オーストラリア戦でうまくいかなかったことをプラスアルファでやる感じで、積み重ねができている部分もあるし、うまくいかなかった時にそれをプラスアルファでやっていけている。チームとしてはいいんじゃないかと思う」。ここまでの積み上げを維持しつつ、着実にレベルアップを目指すチームの流れを推し進めていく構えだ。