「”先生”って呼ばれると反応しちゃう」小説発表で注目浴びるNMB48・安倍若菜が描く夢の追いかけ方
デビュー小説『アイドル失格』がドラマ化やコミカライズされ、注目を集めたNMB48のメンバー・安部若菜。アイドル・作家・現役大学生という“三刀流”の生活を送る彼女が、12月6日に待望の小説第二作『私の居場所はここじゃない』(KADOKAWA)を発売した。今作は、アイドルオーディションに挑む男女5人の高校生の苦悩と成長を描いた青春物語。その完成に至るまでの2年間を振り返りながら、彼女自身の「夢」に対する向き合い方などを聞いた。 ――前作『アイドル失格』から2年が経ちましたが、作家としての環境に変化もありましたか。 ⇒【写真】アザーカット 安部若菜(以下、安部):そうですね。自分としてはまだ実感がないところもあるんですけど、「先生」って呼ばれるほうが多くなったような気がします。デビュー作品はさまざまなことが未知数のなかでやらせてもらっていたのですが、ありがたいことに私の作品を楽しみにしてくださっている方がいるのは嬉しいなと思いますね。 ――「先生」って呼ばれたときはどう返すんですか? 安部:最近は慣れ過ぎてしまっていて。NMBのレッスンのときに、メンバーがダンスの先生を呼んだときも私が振り返ったりしちゃうぐらい「先生」というワードに反応しちゃうようになりました(笑)。 ――『アイドル失格』がドラマ化されるにあたって、NMB48のメンバーが主要キャストとして演じてました。 安部:NMBのメンバーが出れるっていうことになって、誰にどの役をやってもらうかを決めさせてもらったんです。普段から1番近くで見ているメンバーやからこそ、この役を演じられるんじゃないかなって。ドラマを始まったら想像以上に全員が役にハマっていて、すごく嬉しかったです! ――安部さんが指名されたんですか。 安部:そうなんです。 ――となると、今作もこれからいろいろな話が進みそうですが、メンバーたちは浮足立ってるんじゃ?(笑) 安部:ん~どうでしょう。ただ、楽屋で話してると冗談交じりに「次は主演でお願いします!」と言われたり、気のせいか「先生~!」って呼んでくるメンバーが増えたり(笑) ――あからさまなゴマ擦りは面白いですね(笑)。三刀流の生活だと、執筆時間を確保するのも大変そうです。 安部:楽屋の待ち時間で書くことが多いので、今は静かすぎると逆に集中できないんですよ。あとは執筆に入るときには流す曲を決めていて、「この音楽を聞いたら書く」っていうのを脳に紐付けるようにしてます。飲み物は必ずアイスコーヒー。食べると眠たくなっちゃうので、お腹は空いてるほうが筆は進むような気がしてます。 ――ほかに執筆中のマイルールは? 安部:集中力がないので、こまめに休憩を挟みながらやっています。30~40分のタイマーをセットして、音が鳴ったら休憩を入れる。効率が悪くなるので、夜通しで書いたりはしないですね。あとは、例えば公園のシーンがあったら実際に公園を歩きながら、スマホで書いたりもしますね。なるべく現場には足を運びたいタイプなんです。 ――そして、2年ぶりの新作『私の居場所はここじゃない』が発売されますが、前回に比べてだいぶ難産だったと。前作のインタビューでは「次はアイドル以外のことを書きたい」と仰っていましたが、今回もアイドルを題材に選んだ理由は? 安部: 処女作が“アイドルとオタクの恋愛”というストレートに自分の職業を描いた作品だったので、次は何を書いたらいいんだろうと悩みました。でも「アイドル」という題材は自分にとってもアドバンテージになる部分ですし、それも盛り込みながら、今回は芸能界の一歩手前にあるオーディションに挑戦する高校生の話に落ち着きました。 ――取材などもされたんですか? 安部:NMBのメンバーにグループに加入する前の話を聞いたりしました。今回はタイプの異なる5人の登場人物がいて、私とは真逆に性格の人物でもあったので。例えば、ギャルの美華というコがいるんですけど、私は陰キャのタイプだから「ギャルって何を考えて生きてるんだろう」って細かいところまで取材したりしてました。 ――安部さんの中にギャル要素がないからメンバーを捕まえて。 安部:はい(笑)。1つ作品を書き上げているから、「次の作品のために」っていうと、どんどん協力してくれたので助かりました!