松山英樹も愛用するスリクソン「Zスター」3モデルを解説! 新モデルが1月に登場予定で現行モデルは今がお買い得!?
グリーン周りの技術でスコアアップを狙いたい人は「Zスター」1択
松山英樹プロをはじめとした多くのツアープレーヤーが使用しているボールといえば、スリクソンの「Zスターシリーズ」です。「Zスター」と「ZスターXV」、そして「Zスターダイヤモンド」と3種類のモデルがあり、どれもドライバーは高初速かつ低スピンで飛ばせて、アプローチでは高スピンで止めやすいように開発されています。ただ、その中でも3機種それぞれが性能に特化している部分があり、自分に合うボールを使用することでさらなるスコアアップが狙える仕様になっています。本日はZスターシリーズ3種類の違いを解説します。 【写真】安くても飛びついちゃダメ! これがフジクラが公表したベンタスシリーズ模造品の特徴です
それぞれの特徴を説明する前に、シリーズ共通の部分をお話しします。まず現行のZスターシリーズは全て3ピース構造になっています。そして、最も特徴的な部分はボールの中心部であるコアにあります。内部の硬度変化を2段階にすることで、高反発と同時に高い打ち出しと低スピン、更には変形がスムーズになることで心地よいフィーリングが得られる仕様となっています。これが、現行Zスターシリーズの最大のウリといえるでしょう。同時に、高い摩擦を生むコーティングを採用したことで、アプローチでのスピン量とフィーリングも向上しています。 それではここから個々のシリーズを解説していきます。まず「Zスター」ですが、このボールは特にアプローチスピン量に特化したモデルとなっています。ドライバーを含めたロングゲームでの飛距離性能は、この後に紹介する2モデルよりやや劣りますが、ショートゲームになればなるほど威力を発揮するボールといえます。アプローチはもちろん、グリーン周りの技術でスコアアップを狙いたい人はこのボール1択になるでしょう。打感は3モデルの中で最も柔らかいので、全てのショットでソフトなフィーリングを求める方もこのボールを選ぶべきです。
飛距離性能に特化した「XV」 アイアンのスピン量なら「ダイヤモンド」
次に「ZスターXV」ですが、こちらは先ほどのZスターと真逆でドライバーの飛距離性能に特化したボールとなっています。アプローチなどショートゲームにおけるスピン量は他の2モデルより劣りますが、ロングゲームで最大のポテンシャルを発揮するボールといえます。とにかくドライバーで飛距離を稼いでバーディーを獲りに行きたい方はこのボールを選ぶべきです。また打感はかなり硬めで、しっかりとした打ち心地を求めるゴルファーにはこのボールをお勧めします。国内のスリクソンのボール契約プロにおいては使用率が最も高いボールでもあります。 最後に「Zスターダイヤモンド」ですが、このボールはもともとテスト販売として期間限定で発売されていたモデルです。ただツアープレーヤーだけでなく、多くのアマチュアゴルファーからの好評を得たことで、今作から上記2モデルに追加で通常販売されたボールです。特化されているのはミドルアイアンのスピン量で、グリーンでしっかりと止めたいゴルファーはこのボールを選ぶべきです。ドライバーの飛距離とアプローチスピン量は上記2モデルの中間の立ち位置です。セカンドショットの精度を上げて、パーオン率を上げたいゴルファーにはこのボールをお勧めします。打感はどちらかといえばXVに近い硬めの打感です。 以上のように、同じZスターシリーズでもこのような違いが出ております。とはいえ、これはあくまでも一般論であり、例えば元々ドライバーでのスピン量が少なくてボールがドロップしていた人は、Zスターが一番飛ぶこともあります。逆にアプローチスピン量が多すぎて手前で止まっていた人はZスターXVが一番カップに寄ることもあります。また打感はかなり大きな要素で、自分に合わないフィーリングのボールを打つとパッティングの距離感が合わないという人も多々います。今回説明した内容を頭に入れたうえで、最終的にはコースで打ってみて自分に一番合うZスターを見つける事を奨励します。 また、2025年の1月に最新モデルのZスターシリーズが発売されます。現行のボールは現在金額が下がっていて買い時なので、今のうちにそれぞれのボールを試して最新モデルのZスターでエースボールを決めるのも良いかもしれませんね。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
石井建嗣