「口約束」「欄外の手書き」は信じちゃダメ! 新車ディーラーマンとの取引は「正式な記載」の確認が必須だった!!
手書きされた「特記事項」には要注意
とにかく、注文書の欄外に記載された事項はディーラーが会社組織として正式に承認したものではないと認識してもらいたい。そして、「きちんと特記事項として機械打ちしてほしい」と告げること(たいがいは無理だといいだすだろう)。 また、下取り車があるにもかかわらず注文書に下取り車の存在が明記されず、支払い明細に下取り査定額が反映されないこともある。「『下取り車は私個人のルートのほうがいい条件出ますので個人的に売却して現金で渡します』と伝えてくるセールスマンがいます。確かに当初の査定額よりは数万円アップしていますが、仮に10万円アップしても5万円をセールスマンが抜いて、『5万円アップしましたよ』と中抜きされるので注意してください」とは事情通。 少し前に車両買い取りを積極的に行う、大手中古車販売店がさまざまな問題を起こして世間を騒がせていた。事情通によると、ここは他店より20万円高く買い取るとしており、多くのメーカー系ディーラーセールスマンがお客の下取り車を個人的にここに売却して中抜きをしていたようであるとのこと。 いまでは下取り車のない受注についてはディーラー本部が発注者へ実際に下取り車はなかったのかという確認をしたり対策を打っているようである。 何か念を押しておきたいことがあれば迷わず電子データに残る形で「特記事項」として形にすること。新車販売に限らずセールスマンを全面的に信頼するのはかなりリスクの高い行為。よほど長年セールスマンと信頼関係を築いたつきあいがある人以外は、口約束は絶対に行わないこと。そして、とにかくデータとして記録に残すこと。手書きですまそうとしてきたら、何か怪しいことを考えていると見ること。 相手を疑うことは気もちよくはないだろうが、物ごとをはっきりさせること、それこそ信頼の証なのである。
小林敦志