広島カープが月間20敗で“歴史的大失速”「分岐点は守護神・栗林良吏の大炎上ではなく…」レジェンドOBが解説する「それ以前からあった問題」
“日替わり定食”の脆さ
4番不在は昨季から続く課題だったが、期待されていた末包昇大は度重なる故障で不調が続き、新外国人のジェイク・シャイナー、マット・レイノルズはいずれも結果を残せず怪我でシーズン途中退団。小園海斗や堂林翔太、坂倉将吾らが日替わりで4番を務めた。 「僕がよく言っていたのは“日替わり定食”だ、と。日替わり定食は色々な味を楽しめますけど、それだけでは“ランチ”だけの店になってしまう。やはり看板メニューがなければディナーにお客さんは呼べませんよね。シーズン最後に、ゴールテープを切るためにはそこが大事になってくる。小園や堂林はいい選手ですが、本来ならば4番の前後を打つ存在だと思います。チームで唯一の二桁本塁打を打った坂倉も頑張っていましたが、捕手というポジションとの兼ね合いを考えると負担も大きいでしょう」
「ビシエドあたりを獲っていたら…」
今季の戦いを振り返ると、なんとか繋いでチャンスを作っても決定打が出ず、好投していた先発投手を見殺しにする試合も目立った。一発で局面を打開できるスラッガーがいれば……。歴史を紐解いても、カープの黄金期には常にチームの顔と言うべき主砲の存在があった。 「今振り返ると外国人選手が機能しない、という時点で、最後にこうなってしまうストーリーだったのかな、と思います。シーズンの早い段階だったので、そこで誰かを補強するという考え方もあった。海外から補強するというのはもちろん、例えば中日ドラゴンズの(ダヤン・)ビシエドあたりを獲っても面白かったなと僕は思います。巨人は(ルーグネッド・)オドーアが早々に退団した後、(エリエ・)ヘルナンデス、(ココ・)モンテスをシーズン途中に獲得していずれも活躍しました。その辺りの外国人補強は来季、編成に頑張ってもらわないといけないでしょうね」
「変化」を強調した新井監督
シーズン最終戦となった10月5日のヤクルト戦後には、セレモニーで新井貴浩監督が挨拶。4分を超えるそのスピーチで指揮官は「変化」という言葉を強調しつつ、「変わるということは、それとともに、痛みも生じてくる」と語った。世代交代と厳しい鍛錬は、雪辱へのキーワードだ。来シーズンに向けて、カープの喫緊の課題は何なのだろうか。 「投手ではまず、リリーフ陣に不安定な要素が目立ちます。本当に納得がいくボールを投げられて結果が出ているわけではなく、ある程度結果オーライみたいなところも感じました。だから9月に入ってチームが悪い流れになるとそこで押し切られてしまう。 まずピッチャーの基本であるアウトローにしっかり投げ切れる投手が少ないんです。今シーズンは、無駄な四死球でランナーを出してしまい決勝点につながるような場面が再三ありました。もちろんこれは先発投手にも言えることですが、特に勝負所を担うクローザーは1つの四球が命取りになる。過去の守護神と言われる名投手は皆、ストライクはいつでも取れるという制球力がありました」
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